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留学生を取り巻く現状。続く入国制限による懸念

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新型コロナウイルスの影響で、日本はいまだ留学生の新規入国を原則として認めていない。先進7か国(G7)では日本だけである。

外国人留学生の新規入国は2021年上半期(1月~6月)で、コロナ禍前と比べて約9割減少していることが出入国在留管理庁の調査でわかっている。入国できるのは国費留学生だけだ。

入国制限がさらに続けば、学生の学ぶ機会はもちろん、国際社会との関係にも影響が波及しかねない。

現在、日本へ留学する予定だった学生はオンラインによる講義を受ける生活が続く。しかし、時差は学生の健康的・心理的な負担につながる。また、とくに理系学部では実験ができないために、本来の学びを実現できているとは言い難い。さらに言えば、留学生が実際の日本社会や文化に触れることができず、日本と各国をつなぐ人材が不足することも懸念される。日本で学んだ留学生のなかには、様々な分野で親日の人材として日本と自国のかけ橋としての役割を果たしている者がいるからだ。

外国人留学生が減ったため、国内の大学では日本人学生も国際化・多様化したキャンパスで学ぶ機会を失っている。時間の限られたオンライン講座だけでは日常的な交流は難しく、日本人学生と留学生の国際的なネットワークを築く機会も失われる。

日本はこうした将来的な人的資産を失いかねない。

諸外国ではワクチン接種や検査などの水際対策を施すことで留学生を受け入れている。アメリカは検査の陰性証明にくわえ、11月上旬からワクチン接種を義務づける。カナダは入国14日前までのワクチン接種が必要で、コロナ対策計画が認可された対象校に通う場合は入国が認められる。韓国は3日以内の陰性証明が必要で、入国した留学生にコロナ陽性者がいた場合、隔離や検査強化で地域への感染を防いでいる。

このまま「閉じた」状態が続けば、学ぶ場所も持続が難しくなる。日本語教育機関関係6団体が7月に実施したアンケートでは、184校のうち95校が「このまま入国制限が続くと1年以内に事業継続が不可能になる」と回答した。

世界的にワクチン接種が進む。一定の水際対策を施したうえで、一律の入国制限や緩和でなく、ワクチン接種の有無や出身国の感染状況などを加味した措置が急務ではないか。