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【独自調査】新規高卒就職に関するアンケート 調査結果 Vol.11

高校生のための進路ナビニュース

株式会社ライセンスアカデミーでは全国の高等学校を対象に、新規高卒就職に関するアンケート調査を実施しました。結果をシリーズで紹介していきます。

【調査結果まとめ】

調査結果で特筆すべき点は、高卒就職者のミスマッチを生み出す要因として指摘されている「一人一社制」を、約8割の教員が支持していることだ。では、ミスマッチの大きな要因はどこにあるのか。本調査結果からみえてきたのは、職業観の醸成と仕事内容の理解が不十分だということである。

応募先の絞り込みが「十分にできている」と回答した高校の多くが、「計画的な指導」をその理由に挙げた。1年次から職業教育を積み重ね、自己の適性や希望を理解したうえで企業選択を行い、十分に納得した上で就社できるかがポイントである。

以前弊社が実施したアンケート調査では、約7割の高校が1・2年生のうちから就職指導を開始していることがわかっている(図1)。ところが、就職希望者への指導が「十分できている」と回答したのは、わずか4.7%だった(図2)。指導はしているものの、自己分析や職種・業界・企業研究などにおいて、十分に指導できていると感じている教員は少ないのが実状だ。生徒の職業観が乏しい点、十分な理解が進まないまま入社している点が、入社後のミスマッチにつながる大きな要因になっているのではないか。

そこで、高校と企業が協力し合う「高企連携」を強化したい。双方が一体となって働くことについて考える機会の提供や、企業理解を深めるための見学会・説明会などを開催することで、就職指導の充実を図れないだろうか。企業の協力は高校にとって心強く、定着率が高まれば企業にとって大きなメリットとなる。

くわえて企業は、求人票の書き方の見直しや慣例的な企業説明にとどまらない工夫など、自社について生徒や教員それぞれに理解してもらう姿勢をより強くもちたいところだ。とくに教員から多くの要望があった仕事内容の説明については、たとえば具体的な作業内容まで説明する企業努力が求められる。

高校生はまだ若く社会経験も少ない。高校と企業が互いに連携をとりながら、高校生の職業選択についてしっかりとサポートする必要があるだろう。

アンケート結果の完全版は以下からご覧いただけます。
「新規高卒就職に関するアンケート調査」

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