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【独自調査】新規高卒就職に関するアンケート 調査結果 Vol.7

高校生のための進路ナビニュース

株式会社ライセンスアカデミーでは全国の高等学校を対象に、新規高卒就職に関するアンケート調査を実施しました。結果をシリーズで紹介していきます。

Q.新規高卒就職の初任給について、どのように考えますか

高卒者の初任給について聞いたところ、「高い」「やや高い」で2.9%、「妥当」が65.6%、「やや低い」「低い」で31.5%と、「妥当」が最も多かった。「低い」に回答が集中すると予測していただけに、やや意外な結果だった(アンケートには、厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)概況」の高卒初任給16万7,400円を示した)。

厚労省の同調査をみると、高卒者初任給は平成27年度から比べると6,500円ほど高くなっている。それでも、月給を時間給に換算した場合、最低労働賃金とさほど変わらない現実がある。また、労働時間や休日日数、手取り額等を考慮すれば、決して高い給与とは言えない結果だろう。

学校卒業後にフルタイムで正社員を続けた場合の60歳までの生涯賃金(退職金は含めない)は、高卒の男性で2億1千万円、女性で1億5千万円。大卒の男性で2億7千万円、女性で2億2千万円である(ユースフル労働統計2020)。高卒と大卒では男性で6千万円、女性で7千万の差が出る。高卒と大卒の初任給の差は、生涯賃金の差として一生付きまとうことになる。

なぜ、これだけの差があるのか。

ひとつは、最低労働賃金が関わっている。高卒初任給は最低賃金を改定する際の重要な指標になっているため、最低賃金自体が高卒初任給の目安として扱われている状況がある。

もうひとつは、高卒採用市場における情報不足である。高卒求人は厚労省の「高卒就職情報WEBサービス」で確認できるが、この情報には実質教員しかアクセスできないのが現状だ。高卒採用をしたい企業が求人を出す際に相場を把握しづらいため、条件面で人材獲得の競争が起きにくい。

そのため、求人倍率が2.38倍(厚生労働省、2021年7月末現在)の売り手市場であっても、企業は最低賃金を目安に給与を定める悪循環が起きている。

深刻な労働力不足にくわえ、AIやIoTなどの技術革新による産業構造の変化が今後、より加速していくとされる。こうした状況に対応するためにも、新卒一括採用を疑問視する風潮も高まってきた。

高卒・大卒といった学歴ではなく、企業が人材をスキルで評価するようになれば、高卒であっても待遇は見直されるべきだ。実践的な現場で早くからたくさんの経験を積ませることができる高卒人材は、人材確保の面でも、育成の面でも、企業にとって大きなメリットになるはずである。

アンケート結果の完全版は以下からご覧いただけます。
「新規高卒就職に関するアンケート調査」