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【考えよう!探究・SDGs】教育のジェンダーギャップ 理系で顕著に

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日本は女性の社会進出後進国である。
世界経済フォーラムが3月に発表した世界各国の男女格差を調査する「ジェンダーギャップ指数」で、日本は156か国中120位だった。

今回、経済協力開発機構(OECD)が加盟国など46か国の教育事情を分析した報告書「図表で見る教育」(2021年9月公表)で、教育の分野においてもジェンダーギャップがあることが裏付けられた。特に、大学など高等教育機関の理系分野で学ぶ女性や、教員になる女性の少なさが諸外国に比べて際立つ結果となった。

報告書によると、高等教育機関に入学した学生のうち自然科学や工学を選択した女性の割合は、比較可能な36か国中で日本はいずれも最下位だった。自然科学の分野では27%と、トップだったスロバキアの65%と大きな差がある。工学では20~30%の国が9割を占めるなか、日本は16%だった。最も多かったのはアイスランドの39%と、こちらも大きく引き離されている。

文部科学省「学校基本調査」によると、大学の工学部と理学部の入学者に占める女性の割合は5年ほど前からそれぞれ約15%と約30%で推移している。

総務省「科学技術研究所調査」では、2019年度に企業や大学などの自然科学部門で採用された研究者のうち、女性は21.9%だった。研究者全体に占める女性の割合は16.9%で過去最多となったものの、2009年度以降は年0.1~0.6ポイントの上昇にとどまり、他国と比べると伸び率は低い。

政府は2015年に「女性活躍加速のための重点方針」を定めて女性の理工系人材を育成する支援体制を充実させるとしたが、女性割合の少なさは諸外国と比べても顕著なままだ。

OECDによる報告書では、教員の男女比のバランスが悪いことも指摘されている。

日本の学校教員に占める女性の割合は48%で、比較可能な33か国のなかで最下位だった。教育課程別にみても、小学校は64%(OECD平均82%)、中学校は43%(同68%)、高校は31%(同60%)、高等教育機関は28%(同44%)だった。最も女性比率の大きい小学校でも、OECD平均と比べて大きな差があった。

*今後、進路ナビニュースを通して、探究活動の一環として、社会や地域の課題解決をしていくためのテーマを発信していきます。
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