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【考えよう!探究・SDGs】パラリンピック 理解深めるきっかけに

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「多様性の尊重」と「共生社会の実現」を理念に掲げた東京パラリンピックが閉幕した。

原則無観客で行われた大会だったためにテレビ観戦しかできなかったが、良い面もあった。
障害者スポーツの細かなルールや見どころなどが解説されるため、競技の魅力を知ることができた。

障害を負ったパラアスリートが躍動する姿に目を奪われた人も多いだろう。
競技をみていると、障害を負った体を巧みに使いながらプレーしていることに気づく。
きっと途方もない鍛錬を重ねた結果、生み出された肉体と技術なのだろう。
五体満足であっても到底たどり着けないであろう人間離れしたパフォーマンスに驚かされた。

ただ、パラアスリートは超人ではない。
車いすバスケットボールで競技用の車いすを自由自在に操る彼らも、一歩競技場から離れれば、数センチの段差を超えるのに苦労する。
肢体が不自由とは思えないスピードで水の中を泳ぐ彼らも、陸に上がれば介助なしで排尿や排便ができない場合がある。

競技者の努力や成果に焦点を当てがちだが、そこに感動するばかりではいけない。
パラリンピックをきっかけに、掲げた理念をどう実社会で実現するかを考えたい。

圧倒的なパフォーマンスや競技後の晴れ晴れしい姿には、「障害を負ってかわいそう」という同情の意識を取り払う強さがある。
障害による生活の不便さを感じてる状況を社会全体で変えようとする意識を持つことの方が、彼らを本当の意味で思いやることにつながるのではないか。

日常生活でどんな不便さがあるのか、何を改善したら生活しやすくなるのかなど、競技を通じて障害に対する関心や理解を深めることに、パラリンピックの意義があるはずだ。

*今後、進路ナビニュースを通して、探究活動の一環として、社会や地域の課題解決をしていくためのテーマを発信していきます。
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