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女子大で広がるLGBT受け入れ 意識と環境の壁

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戸籍上は男性でも性自認は女性であるトランスジェンダーの学生を受け入れる動きが、女子大で広がっている。お茶の水女子大学をはじめ、現在までに日本女子大学、奈良女子大学、宮城学院女子大学が受け入れを開始。津田塾大学や東京女子大学も検討を始めた。

これまで、国際基督教大学や早稲田大学など、男女共学校では受け入れが進んでいた一方で、女子大では対応が遅れていた。共学校はそもそも入学時点で性別を問うことはないが、女子大はアドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)の変更に壁があったためだ。

こうした流れは、日本学術会議が「トランスジェンダーの学生が女子校・女子大に進学できないのは『学ぶ権利』の侵害」と提言したことで変わった。その後、各大学での検討が始まったという。

お茶の水女子大学は2020年度に受け入れを開始。個人の特定を避けるため、実際にトランスジェンダーの学生が入学したかどうかは公表されていないが、高校生からの問い合わせは増えているという。

同大では、出願前に自己申告書や住民票を提出。入学することになった場合は、トイレや更衣室などの利用について、本人と大学が事前に相談したうえで「女子用」を使うかどうかを判断する。校内に複数ある、性別問わずに使用可能な多目的トイレを利用することもできる。

日本女子大学は2024年度に受け入れを開始する。しかし、キャンパスの設備整備や学生・教職員の理解など、受け入れるための準備は容易ではなかった。受け入れのための意向調査で、約25%が「分からない」と回答。「トイレや更衣室などが不安」「女性と偽って入学するのではないか」など、不安の声も上がったという。そこで、専門家による講義や学生主体の支援団体による啓蒙活動で意識を変えてきた。

2021年度に受け入れを始めた宮城学院女子大学は、LGBTのシンボルカラーである虹色(偏見がないことを示す)が使われたマークを様々な場所に掲示など、トランスジェンダーの学生が安心できる環境整備を進めている。

しかし、日本の大学ではLGBTの学生への支援はまだまだ遅れているのが実情だ。ほとんどの大学で担当部署や相談窓口がなく、気づかぬうちに苦しんでいる学生が多くいる。多様な学生を受け入れ、安心した学生生活を送ってもらうための環境づくりは、道半ばである。

参考:宮城学院女子大学「共生のための多様性宣言」
お茶の水女子大学「トランスジェンダー学生受入れに関する対応ガイドライン」