進路ナビニュース

【考えよう!探究・SDGs】中国「世界最大の蚊の工場」 1日500万匹を野外に放つ

高校生のための進路ナビニュース

中国・広東省に「世界最大の蚊の工場」と呼ばれる研究所がある。
ここでは、ある特徴をもった蚊が大量生産され、1日当たり500万匹ほどが野外に放たれている。
ある特徴とは、自然界でメスと交配することで不妊を引き起こすボルバキア(Wolbachia)と呼ばれる細菌をもっていることだ。

蚊はデング熱やマラリアなどの様々な感染症を媒介し、世界で最も人を殺した生き物だ。
研究所で育ったオスの蚊は自然界に放たれ、メスと交配することで不妊を引き起こす効果が期待されている。
こうした取り組みがうまく機能すれば、蚊の繁殖を妨げることで、人の命を奪う可能性のある感染症の媒介を防ぐことができる。

この取り組みは世界初というわけではない。
2017年にはアメリカ・カリフォルニア州でボルバキアに感染したオスの蚊が約2000万匹放たれている。

オスの蚊は人を刺さないことにくわえ、研究員は「この細菌は人には無害だ」と話す。

しかし、相手は自然界である。
人が自然に手を加えることで、どこにどのような影響があるか、検証しきれているのだろうか。
風が吹けば桶屋が儲かる。

自然は人智を超えた存在である。
なんの問題も生じないと言いきれるのだろうか。

*今後、進路ナビニュースを通して、探究活動の一環として、社会や地域の課題解決をしていくためのテーマを発信していきます。
【SDGs】に関連した他のニュースも読む

TOP