【独自調査】Withコロナ時代の進路指導と進路選択に関するアンケート 調査結果 Vol.9 更新日: 2021年8月19日
高校生のための進路ナビニュース
Q.【進学】生徒の進路選択における傾向についてお答え下さい。(複数回答可)
コロナ禍での進学希望者の進路選択における傾向について、最も多かったのは「地元進学の希望者が増えた」(45.2%)と「奨学金を申請する生徒が増えた」(43.0%)だった。首都圏や地方主要都市でのコロナ感染拡大をきらい、地元志向が広がった傾向にあるようだ。また、4割以上の教員が奨学金を申請する生徒が増えていることを認識しているのにくわえ、将来の職業選択もしくは家計状況によって「目指す学部・学科・コースを変更した」と回答した教員も、合わせて5割程度いた。このことから、コロナの感染拡大は、進学を希望する高校生に進路選択や学費の面で影響を及ぼしていることがわかる。
ただ、「その他」(11.8%)の回答のなかには「とくに変化はみられない」との意見も多かったことから、とくに影響を受けていない高校生もいる。そのほか、「総合型選抜や推薦型選抜での受験を考えている生徒が増えた」といった意見や、「ランクを下げた指定校が増えた」など、受験機会を増やしたり、合格可能性の高い選択をしたりすることで浪人のリスクを避けるとともに、早期に進学先を決定したい傾向が強くなったとする声があった。
結果の傾向から見えてくる懸念は、安易な進路選択に走っていないかということである。「コロナ禍」を理由に、自身の可能性を狭めるような選択は、数十年後の後悔へとつながるかもしれない。この状況下であっても、学問・職業・お金の観点を総合した、将来を見据えた進路選択が望ましい。
そのなかで、奨学金の利用はひとつの選択肢だろう。貸与する場合、「借金」とのイメージが強い奨学金も、たとえば日本学生支援機構の第二種奨学金の場合、実際の利率は相当に低く貸与できる。「将来への投資」と考え、奨学金で希望の進路を実現できるのであれば検討したいところだ。
地元志向の広がりが結果から見えてくる。しかし、学びたい分野や目指す職業によってはやはり都市部への進学も選択肢に入れておきたい。多様な企業が集まる都市部にある学校は、企業とのパイプもあるために就職面で有利に働く場合もある。学びの素材となる情報や流行が集まるといった点でも同様だ。
高校を卒業してからの進路選択は人生を大きく左右する。この状況下だからこそ情報を確実に集め、改めて長期的な視点に立った進路選択を考えたい。
アンケート結果の完全版は以下からご覧いただけます。
参考:【高校教員対象】Withコロナ時代の進路指導と進路選択に関するアンケート調査結果(完全版)