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【考えよう!探究・SDGs】食品ロスを減らせ できる貢献とは

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まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物のことを「食品ロス」という。持続可能な社会をつくっていくうえで、限りある食材や食品をむだなく使うことは社会全体の課題となっている。食品ロスの削減は地球全体での適正な食品分配だけでなく、温暖化による環境負担の軽減(食料の生産過程やごみ処理過程で温室効果ガスが発生する)、経済面での生産性の向上につながっていくからだ。

世界の食品ロスは年間13億トンと膨大な量で、これは実に世界で生産される食料の3分の1が廃棄されている計算だ。日本では年間約612万トンの食品(東京ドーム約5杯分/日本国民全員がおにぎり2個を毎日捨てる程度)廃棄されている。

日本の食料自給率は38%(カロリーベース)で、実に62%を外国からの輸入に頼っているにも関わらず、その多くをむだにしてしまっているのだ。この問題は決して他人事ではない。

東京都千代田区のあるラーメン店は新型コロナウイルスの感染拡大により、経営する6店舗のうち3店舗が閉店に追い込まれた。この状況で店主が打った策はコッペパン専門店の開業だ。なぜラーメン店がパン専門店なのかと不思議に思うが実に効率的である。自家製の麺をつくるときに出る端材を焼きそばパンやナポリタンパンの材料に、チャーシューを作るときに出る端材を豚カツパンの材料として使っているのだ。無理なく持続可能な店舗運営をするために、むだになっていた材料を再利用し、結果的に食品ロスにもつながった例である。

地球全体の人口は2019年時点で約77億人となっており、2050年には97億人まで増加すると推計されている。世界中の人が必要十分な食料を確保するという大きな課題に対しても、手の届く範囲を工夫するだけで課題解決を担う一人になれるはずだ。

*今後、進路ナビニュースを通して、探究活動の一環として、社会や地域の課題解決をしていくためのテーマを発信していきます。
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