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【考えよう!探究・SDGs】あだ名禁止ルール いじめ対策になり得るか

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学校の「いじめ」はなかなかなくならない。文部科学省が発表したデータによると、2019年度のいじめ認知件数は61万件以上で過去最多を記録した。いじめを撲滅するためにさまざまな対策がとられているが、根絶までには遠い数字だ。

あるいじめ対策を取り上げた記事が多くの反応を集めて話題になった。その対策が「呼び名の制限」である。友達をあだ名で呼んではいけない、「さん」付けで呼ぶというもので、呼び名を制限する対策は現実に多くの学校でとられているようだ。友達同士だけでなく、先生が生徒の名前を呼ぶ時も名字に「さん」を付けて呼ばなければいけないという事例もある。

世間からは賛否の声が挙げられている。

【賛成派】
•私も変なあだ名で呼ばれて不快に感じたことがある。
•嫌なあだ名をつけられた。先生からも同じように呼ばれていたから相談できなかった。
•あだ名を付けられたことがきっかけで、いじめに発展した経験がある。
•大人の世界では侮辱として捉えられている表現が、あだ名に使われることもある。

実際にいじめに発展した事例があると考えると、呼び名を制限することで救われる子どもは一定数いるかもしれない。

【反対派】
•あだ名で呼んでくれる友達は今でも貴重な存在。
•友達との距離を縮めるのも、あだ名がもつ効果だと思う。
•制限したとしても、陰で言われたらそれこそいじめに発展すると思う。
•子どもの社会に大人がルールを作ると、子どもたちが考える機会を奪うことになる。

あだ名は子ども間のコミュニケーションの取り方の一種であり、大人がルールをつくることに違和感を抱く気持ちも理解できる。

いじめは根絶するべきだという意見には誰もが賛同するだろう。そのうえで、呼び名を制限することが対策として適切かどうか、議論の余地があるだろう。

*今後、進路ナビニュースを通して、探究活動の一環として、社会や地域の課題解決をしていくためのテーマを発信していきます。
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