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オールウェーブに疑問 美容師国家試験科目の見直し提言

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美容師国家試験科目が見直される可能性が出てきた。

自民党有志による「美容サロンに関する議員勉強会」は6月4日、河野行政・規制改革相に美容師国家試験科目の見直しを求める提言を提出した。政府は今後、美容師資格を所管する厚生労働省と協議して検討を進めるとしている。

現在の美容師国家試験は筆記と実技による試験で、年2回行われる。実技試験はカットとパーマで構成され、パーマはロッド(棒)を巻きつけて行う「ワインディング」と、指とくしで髪を波立たせる「オールウェーブセッティング」のいずれかが出題される。そのため、学生はどちらの技術も学び、習得する必要がある。今回見直しが図られるのは「オールウェーブセッティング」の試験科目だ。

オールウェーブは1960年代に流行したが、現在では実際に使う機会はほとんどないという。ところが、難しい技術を必要とするため、専門学校など美容師養成施設で必須とされる810時間以上の実習のうち、数百時間が充てられている。

「日本美容サロン協議会」(東京)が現役美容師を対象に行ったアンケートによると、美容学校の実技試験で取り組んだ内容で今は使ってない技術にオールウェーブを挙げた人は35.3%に上る。一方、カラーリングやまつ毛エクステンションなど、美容室の施術で人気のメニューに実技試験は課せられていない。まつ毛に人口毛を貼るまつ毛エクステンションにおいては、施術ミスによる被害も報告されている。

日本の美容師の技術は世界でもトップクラスとされ、アジアを中心に多くの外国人が学びにくるほどだ。同協議会によると、専門学校入学から美容師として独り立ちするまでの平均期間は、イギリスの約3年(約4,608時間)に対して日本では6~7年(11,600時間)ほどかかるという。美容学校での訓練とともに、美容師として就職してからも鍛錬を積み重ねている現状が日本の技術力を後押ししている一方で、現行の資格試験が実践的でないとの声もある。

政府は規制改革推進会議の作業部会で近く議論を始める予定だ。

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