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【考えよう!探究・SDGs】戦争なき世界を 日本人の役割

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戦争を軸に考えれば、日本は平和な国といえます。しかし、いまだ争いのなくならない国があるとともに、核の脅威を考えれば戦争は決して他人事ではありません。戦争なき世界の実現を考えたとき、日本人である私たちには大きな役割が課されているように思います。

日本は世界で唯一の被爆国です。1945年8月6日に広島、9日には長崎に原子爆弾が落とされてから75年が経過しました。この長い年月をもってしても、いまだ多くの人々が戦争の悲惨さに心を痛め、失った家族や友人、恋人などに思いを馳せています。同時に、戦争や核兵器のない世界の実現を強く願い、そう世界に訴え続けています。

原爆がいかに悲惨な兵器であるかを、被爆者としてこれまで発信し続けてきた方々の功績は偉大です。その努力が、日本が戦争をせず、核兵器を持たない国であり続けることの礎になっているといえるでしょう。しかし、長い年月が経てば、やがて被爆者がいなくなる時がやってきます。つまり、日本が経験した惨劇について、実体験を携えて訴えることのできる語り手を失うことになります。その時、「過ちは繰り返しませぬ」の思いを、これからの世界の平和に向けて、どのように引き継いでいけるでしょうか。現代を生き、未来をつくっていく若い世代はとくに、世界の平和について考える責任があるはずです。

「戦争で何十万人が犠牲になった」という話より、「目の前で人間が死ぬのを見た」という話の方が悲惨さを感じます。語り手の話にリアルを感じて自分事のように追体験できるからです。ところが、若い世代は戦争のリアルを知りません。被爆者なき時代に平和の大切さを伝えていくためには、単に被爆者の思いや苦しみを代弁するだけでよいのでしょうか。戦争を経験していない私たちが戦争による被害をただ嘆くだけでは、周囲との共感には及ばないでしょう。

私たちは過去の戦争とどのように向き合えば争いのない世界に近づけるのでしょうか。

*今後、進路ナビニュースを通して、探究活動の一環として、社会や地域の課題解決をしていくためのテーマを発信していきます。
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