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薬学部の入学定員抑制 厚労省検討会が提言

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厚生労働省は6月16日に「第10回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」を開催。薬学部の入学定員抑制の検討などを求める提言案を示した。提言案には「入学定員数の抑制も含め、早急に検討すべきだ」と明記された。薬剤師の地域偏在の解消や医療機関との連携、服薬指導などの役割を果たせるように教育内容を見直すことも求めた。薬学部の入学定員に関しては、一定の抑制策が検討されていく方向だ。

厚労省の推計では、将来的に薬剤師が過剰になると予測されている。薬剤師の数は2020年の32万5千人から2045年には43万2千~45万8千人に増える。一方、薬剤師の需要は2045年時点で最も多い推計でも40万8千人となっている。

これには薬学部の定員増加が背景にある。2003年~2008年に薬学部の新設が続き、薬科大学・薬学部は75大学に増加した。2020年の入学定員数は2002年の約1.4倍に増えている。

一部の大学では学力低下や定員割れが懸念されている。医師国家試験にストレートで合格する医学生の割合が75%なのに対し、薬剤師国家試験にストレートで合格する薬学生の割合は54.5%にとどまる。

経済協力開発機構(OECD)によると、人口10万人あたりの薬剤師の数は日本が最も多い。高齢化や在宅医療の普及などでニーズが高まる面もあるが、人口減少や調剤の効率化などによる需要の減少が起こるとされている。

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