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教員の子育て漫画書籍化 教委が不許可

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都立高校の教員が自身の子育てについて描いた漫画をネットで発表したところ、人気を呼び書籍化のオファーを受けた。教員は都教育委員会に兼業許可の申請を出したが、公務員の兼業を規制するルールを理由に都教委はこれを認めなかった。

男性は公立高校で現代社会などの公民科目を担当している教員だ。漫画を描くのが趣味で、イラスト文芸部の顧問も務めている。3歳と1歳の子どもの育児経験を漫画にしてツイッターやブログで公開している。ペンネームは「パパ頭」。

男性は上の子が生まれた時に1か月、下の子の時に3か月の育休を取得。その時のリアルな育児経験を漫画に描いた。悩みながらも子育てを楽しむ内容が評判を呼び、ツイッターのフォロワーは8万5千人になった。出版社から書籍化のオファーを受け、男性の育児参加を促すことにつながればと考え出版を決意した。

地方公務員である公立学校の教員が本業以外に報酬を得る場合、教委に兼業許可を取る必要がある。男性は本業には影響しないと校長の許可を得たうえで教委に申請したが、結果は「不許可」だった。男性は理由を知るために教委に連絡したところ、「マニュアルに沿って判断した」としか回答を得られなかった。納得できず、都教委を相手取り不許可処分の取り消しと、精神的苦痛の慰謝料として120万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

公務員は憲法が定める「全体の奉仕者」であるため、企業や団体から仕事を受けて報酬を受け取るのを原則として禁止にしている。ただ、「原則」とあるようにすべてが禁止されているわけではなく、教員公務員特例法では教育に関する事業などで教員の仕事に支障がなければ認められている。実際に、教科書の執筆や専門科目を生かした講演会の講師など、教員に兼業を許可したケースは2019年度で1,200件ほどある。

政府は2025年までに男性の育休取得率を30%にすることを目標にしているなか、2019年度の都立高校や特別支援学校などの男性教員の取得率は8.1%にとどまる。男性の育児参加が積極的に求められる社会状況で、その実践を描いた漫画を出版して多くの人の目に触れることはよい教科書になるとの声がある。一方で、育休中に執筆していたことや、教員の表現活動が趣味の範疇を超え、教育に関する兼業としてどこまで認められるかの問題がある。