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【考えよう!探究・SDGs】昆虫が人類を救う 貴重なタンパク源

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世界の人口は約78億人。2000年前に2億人ほどだった世界の人口は78億人にまで増えた。今後さらに加速度的に増えて、2056年には100億人を突破すると推計されている。

人口が増えれば食糧需要が高まるのは当然のことだが、従来の方法で食糧を確保するには爆発的に増える人口に対して限界がある。とくに問題視されているのが、タンパク質をどのように摂取していくかだ。動物や魚から摂取するのは、資源に限りがあることから難しいとされる。

そこで注目されているのが昆虫食である。昆虫食は世界の救世主になるかもしれない。

きっかけは2013年に国連食糧農業機関が「昆虫がタンパク質の代替食料になり得る」と国連に提出した報告書だ。その後、2015年にEUが昆虫を食品として規定した。東南アジアには700万匹以上のコオロギを養殖する世界最大規模の施設が建設されるなど、昆虫食の拡大に備える動きが世界でみられる。

昆虫は非常に効率よく栄養素を摂取できる食材である。
牛や豚の場合、体重の約1~3%がタンパク質とされるなか、蛾や蜂の幼虫は体重の50%がタンパク質だといわれている。

また、昆虫はエコな食材である。
牛は温室効果ガスのひとつであるメタンガスを、ゲップをすることで吐き出す。対して昆虫はメタンガスをほとんど放出しない(ちなみに、牛1頭が1日で吐き出すメタンガスは160~320リットルで、世界には約15億頭の牛がいる)。

どんなに優秀な食材でも昆虫を食べるのに抵抗がある人はいるだろう。しかし、西洋諸国では数年前まで生の魚介類を食べなかった。それがいまや多くの人が寿司を楽しんでいる。昆虫を当たり前のように口に運ぶ日が来るかもしれない。

*今後、進路ナビニュースを通して、探究活動の一環として、社会や地域の課題解決をしていくためのテーマを発信していきます。
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