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【進路コラム】「heart-to-heart talk」筆者・橋本光央

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最近強く感じることがあります。
それは、「今の世の中、ちょっとした間違いにも
寛容でなくなっている」ということです。
些細な言い間違いに対しても、
まるで鬼の首を取ったかのように糾弾する人々。
(少し前の森氏の女性に対する発言が些細かどうかは「?」ですが、
ぽっちゃり体型の女性に関するオリン“ピッグ”問題なんて、
1年以上前に仲間内のラインに流された案で、
しかもすぐに撤回しているから公に出ていないのに、今さらなぜ?)。

最近の日本は、ほんの小さなミスさえ
許さない空気に支配されているように思います。
それに対して、間違いを指摘された人は、
それを素直に受け入れることができず、
逆ギレしてしまいがちです。

では、
(1)「人は、なぜ他人の間違いを指摘するのか」、
(2)「間違いを指摘された人は、
   なぜ素直に受け入れないのか」というと、
(1)間違いを指摘すると気分が良いから。なぜなら、
   それで「オレのほうが上だ」と優越感に浸ることができるから。
(2)自尊心を傷つけられないように。
   なぜなら、どんな人にもプライドがあるのに、
   間違いを認めてしまうと、それがズタズタにされてしまうから。
だから、そうならないように、です。
結局、互いに自己を主張して譲らないので、
歩み寄ることはありません。

そのため、一部の識者は
「円滑なコミュニケーションを図るため、
相手の間違いを正さない」ことを推奨しています。
D・カーネギーは著書『人を動かす』の中で、
「議論に勝つ最善の方法は、
この世にただひとつしかないという結論に達した。
その方法とは、議論を避けることだ」
と言っていますから。
確かに今の世の中、きちんとした説明をせず、
相手の話も聞かず、結論だけを言いあっている人が
多いように思います。
「私は正しい」「あなたは間違っている」って。
こういう状況では、互いに歩み寄り、
腹を割って話すことなど、望むべくもありません。

ところで、日本人が諸外国に対して最も誇れる気質は、
相手の立場に立って考え行動する「気遣いの心」ではないでしょうか。
しかし、それを失ってしまったら……。
それは、日本そして日本人としての
アイデンティティの喪失に他なりません。
この、最も大切な「日本人の心」を守るためにも、
「相手の言葉を受け入れる」
そして「相手を慮る心」を身に付ける教育を
続けなければなりません。
特にコロナ禍でコミュニケーション不足となりがちな昨今、
生徒たちとは、
常にheart-to-heart talkを心掛けたいものです。
 
【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆、
光文社文庫『ショートショートの宝箱』シリーズ等に作品掲載あり。
日本SF作家クラブ公式ホームページやweb光文社文庫Yomebaにて
作品を無料公開中。
『キャッチボール』https://sfwj.fanbox.cc/posts/2236364