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高校生株式会社「HIOKOホールディングス」の活動 Vol.1

高校生のための進路ナビニュース

HIOKOホールディングス株式会社は茨城県立常陸大宮高校の商業科によって設立された、全国で3校目となる高校生株式会社である。社名の由来は校名の英語表記である「Hitachi Omiya Koukou」。頭文字の「HI・O・KO」をとって生徒が命名した。企業理念は「地域貢献と地産地“商”」で、地域のために活動する株式会社であることを掲げている。

同社は農園経営、調理販売・イベント出店、観光事業、物販事業、財務管理・金融事業の5つの子会社をもつ。地域の特産品を生かした商品開発を行っており、生産・加工・販売までを一貫して担う日本初の「6次産業型高校生株式会社」をうたっている。

【5つの事業】
① HIOKOファーム(農園経営)
ブルーベリー農園を所有。年間数百キロの生産高。自社ブランドの商品開発も行う。
② HIOKOキッチン(調理販売・イベント出店)
年間20回以上の地域イベントに参加。特産品を使ったメニュー・商品開発などを行う。
③ HIOKOプランニング(観光事業)
日本一の国民宿舎「鵜の岬」と連携。団体宿泊ツアーのトータルプロデュースを行う。
④ HIOKO堂(物販事業)
地元ハンドメイド作家や雑貨販売企業と連携。商品企画や製造販売を行う。
⑤ HIOKOファイナンス(財務管理・金融事業)
会社の財務管理と確定申告を担当。証券会社と連携して株式取引など資産運用も行う。

2012年度に商業科の授業で「常陸大宮あきない工房」という模擬会社をつくったのがきっかけ。地元企業と連携しながら地域食材を使った商品開発をしていたが、単発で終わってしまっていたために地域貢献とは言い難かった。その翌年にブルーベリー農園を経営する同行OBから地元の食材を高校生へ広げる活動の提案を受けたことで、「高校生農園HINOKOファーム」を開園。当時の3年生たちが後輩たちにこの活動を引き継ぎ、長く続けたいという思いから起業を決意したという。

設立資金の50万円は出資を受けることなく、商業科の生徒がイベントなどに出店することで用意。そのほか、定款の作成、資金集め、関係各所への申請登録なども周囲の協力を得ながら生徒らが進めてきた。いまでは地元のブランド牛を使った商品やブルーベリージュースなどの商品販売が収益の中心で、今後はオリーブ農園の運営も考えているという。

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