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【考えよう!探究・SDGs】止まらない日本人の米離れ

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日本人の米の消費量が減っている。農林水産省『食料需給表』によると、1962年度の日本人1人当たりの米の消費量は118.3キロだった。それが2019年度には53.0キロにまで落ち込み、日本の長い米の歴史のなかで、わずか60年足らずで消費量が半減しているのだ。

一方で、肉類、牛乳・乳製品の消費は増加傾向にある。米と同じく1962年度と2019年度を比べると、肉類は7.6キロから33.5キロで4.4倍、牛乳・乳製品は28.4キロから95.4キロで3.3倍になっている。

日本人は米を食べなくなった。全国各地の米農家では品種改良が重ねられ、味や食感などにこだわった米が生み出されているが、その努力もむなしく米離れは止まらない。人口の減少や食生活の欧米化といったことが原因なのは明らかだろう。朝食を抜いたり、ダイエットブームで糖質を避けたりする人が増えている傾向も影響しているかもしれない。

総務省の「家計調査」『1世帯当たり年間の品目別支出金額,購入数量及び平均価格(二人以上の世帯)』によると、2011年にパンへの支出額が初めて米を上回った。2012年と2013年には再び米への支出額がパンを上回ったものの、それ以降はパンへの支出額のほうが多い状態が続く。

日本の伝統的な食文化である「和食」は2013年にユネスコの無形文化遺産に登録された。ご飯を中心に一汁三菜(主食・主菜・副菜・汁物)の基本バランスを重視した食事は、海外ではむしろ健康的な食事として人気が高まっている。この現状についてどのように考えるか、無形文化遺産への登録は日本人一人ひとりに問うているのではないか。

*今後、進路ナビニュースを通して、探究活動の一環として、社会や地域の課題解決をしていくためのテーマを発信していきます。
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