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【考えよう!探究・SDGs】江戸は火事が多かった 東京のまちづくり

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「火事とけんかは江戸の華」という言葉があるほど、江戸は火災が多いことで有名だった。
江戸で火災が多く起きた大きな要因は3つあるとされる。

1つ目は気候だ。江戸の冬は晴れの日が続いて乾燥する気候が火災を多く発生させた。また、冬から春にかけて吹く季節風が火事を大規模化させていたとされる。

2つ目は過度な人口集中である。1603年に江戸幕府が開かれて以降、急激に増えた江戸の人口は100万人を超えていたとされる。これは同時代のほかの都市をみても突出していたという。江戸の人口の半数を占めた町人が住める土地は範囲が限られていた。人口密度の高さにくわえ、住居は木造だったことは被害を大きくしたはずである。

3つ目は未成熟な消防活動だ。当時は現代のような消防・消火設備はもちろんなく、ひとたび火事が起これば家屋を壊して延焼を防いでいた。消火活動は時に困難を極めたことは想像に難くない。

現在の消防活動は飛躍的に進歩し、火災に強い家を建てる技術もある。それ以外は江戸も東京もさほど変わらないのではないか。普段の火事で江戸の大火のように街全体が焼けつくされるような事態はないにしても、災害時はどうだろう。公共・社会インフラが麻痺するような大きな混乱のなか、同時多発的に火災が発生すれば甚大な被害は避けられない。

世界4位の人口密度を誇り日本の総人口の1割が住む東京で、災害に対する視点でも住み続けられる街づくりが求められている。

*今後、進路ナビニュースを通して、探究活動の一環として、社会や地域の課題解決をしていくためのテーマを発信していきます。
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