【考えよう!探究・SDGs】過疎化による地方の課題と東京一極集中 更新日: 2021年6月3日
高校生のための進路ナビニュース
日本では少子化による人口減少が問題になっている。しかし、東京圏に限定してみれば、人口は増え続けている。2019年の人口動態データをみてみると、47都道府県中39の地域で転出者数が転入者数を上回っている。そして、転出した人口のうち、約9割が東京圏に転入していることがわかる。これが意味するのは、地方から東京圏への人口の流出である。地方にしてみれば、人口が東京圏に吸収されているのが現状だ。
人口が減少すると、学校の閉鎖や店舗の閉店、鉄道の廃止などライフラインの維持が困難になる。とくに人口減少が著しい地域では、その土地ならではの産業や伝統文化の衰退といった問題も生じる可能性がある。過疎化が加速すると、その地域の魅力が失われ、さらに人口が減少する悪循環に陥ってしまうのだ。
地方から都市部へ人が流出する主な要因として、子どもが進学や就職を機に都市部に移り住んでいることが挙げられる。都市部には大学や企業などが多く集まり、多くの人にとって学業や生活の面で魅力的なのは否定できない。そのため、都市部に出てきた地方出身者が家庭をもってからも、そのまま住み続ける場合が多い。
しかし、確かに便利な東京圏での暮らしにも懸念すべき点はある。大地震や津波などの災害による混乱など、地盤の弱さと人口密度の高さゆえのリスクは以前から叫ばれ、新型コロナウイルスが流行した現在においては、地方に住むメリットも見直されている。通信手段や交通網の発達した現代では、地方在住であっても都市部とそん色ない暮らしができると考える人がいるのも事実だ。
*今後、進路ナビニュースを通して、探究活動の一環として、社会や地域の課題解決をしていくためのテーマを発信していきます。
【SDGs】に関連した他のニュースも読む