進路ナビニュース

【考えよう!探究・SDGs】脱プラスチックを目指して レジ袋有料化

高校生のための進路ナビニュース

日本では2020年7月から全国のコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどのお店で、プラスチック製のレジ袋が原則有料になった。日本人1人当たりの使い捨てプラスチックごみの排出量は世界2位と多く、この施策はこうしたライフスタイルを改めるチャンスとされる。

現在、大量のプラスチックが海に流れ込んでいることが、世界的に大きな問題になっている。主に石油から作られるプラスチックは、自然に分解されにくいため、適切に処理されずに捨てられると、そのまま海に蓄積され生態系に影響を及ぼすことが懸念されている。

2019年8月には、タイで人気を集めていたジュゴンの赤ちゃんが死んだ際に、腸から大量のプラスチックごみが見つかり、大きな反響を呼んだ。こうした被害のほかにも、プラスチックごみが細かく砕かれたマイクロプラスチックが有害物質を吸着し、それを食べた魚を通じて人間を含めた食物連鎖への弊害も懸念されている。

2019年に大阪市で開催されたG20首脳会議で、各国は海に流出するプラスチックごみを2050年までにゼロにするという目標を掲げた「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」に合意した。そのほか、有害なごみを国際的に規制する「バーゼル条約」が改正されたことで、汚れたプラスチックごみを輸出する時は相手国の同意が必要になるなど、プラスチックごみに対処しようとする動きは世界中に広がりつつある。

一方、レジ袋の有料化の動きについては、買い物時の利便性の低下や店舗の売り上げへの影響など、私たちの生活に直結する点で反対の声が上げられている。くわえて、プラスチックごみの全体量に占めるレジ袋の割合はそもそも少ないため、環境改善への影響は小さく大きな削減効果は期待できないとの声もある。

*今後、進路ナビニュースを通して、探究活動の一環として、社会や地域の課題解決していくためのテーマを発信していきます。
【SDGs】に関連した他のニュースも読む

TOP