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「私の好きな言葉・座右の銘(その14)」 筆者・城所卓雄

「好きこそ物の上手なれ」
本諺の意味は、
「好きであることが上手になる秘訣」という考え方です。
単純で分かりやすいのですが、
語源などの由来は特に見当たりません。
それくらい日本人の社会生活に馴染んでいる諺だと思います。

筆者は音楽好きでした。
小学生時代の学芸会では、舞台の脇で、
木琴を弾いたり、ハーモニカを吹いたりしていました。
そのような頃、
以前、「門前の小僧習わぬ経を読む」で紹介した通り、
お琴の師匠から直接教わったのではなく、
師匠の側にいるだけで、
お琴がうまく弾けるようになりました。
筆者以外にも、
サッカーなどのスポーツ競技が好きだったり、
ピアノやバイオリンの演奏が好きだったりした子どもが、
その後、プロのスポーツ選手になったり、
演奏家になったりした事例は数多くあります。

筆者は、中学校の1年生時から英語の授業を受け始め、
その2学期から、大学生から英語を学び始めました。
この大学生の教え方がとてもうまかったため、
「英語大好き生徒」になり、
大学生から学び始めてわずか4ヶ月後の
2学期の英語の成績は「5」になりました。
これがきっかけで、他の科目の成績もどんどん上昇し、
中学校卒業時には、体育と職業の2科目以外の成績は、
全て「5」になりました。
さらに、この大学生の方からは、
中学校卒業から高等学校入学までの
わずか2週間を有効活用していただき、
山崎貞先生の「英文解釈」と、
1年生用の英語の教科書を全て学習しました。
これらがきっかけで、
「英語大好き生徒」から、
「外国語大好き生徒・学生」になっていきました。

これらの学習・勉強体験からいえることは、
まず好きな科目・専門分野を一つ見つけ、
これを徹底的にフォローし、
第1段階ではクラスでトップを目指し、
第2段階では学年でトップを目指し、
第3段階では全校・全大学のトップを目指すことです。
そうなると、自身の得意科目・専門分野は、
さらに他の科目・専門分野にも影響を与え拡大されます。
このときの重要なポイントは、
素晴らしい先生・指導者・同僚に出会い、
恵まれることであると思います。
良き上司・アドバイザーに恵まれると、
さらに相互に連携し合う機会も増えるからです。
本諺に一番近い英文表記は、
「What one likes, one will do well.」
になると思います。

【プロフィール】
1969年、外務省入省、
在サンクトペテルブルク総領事を経て、
駐モンゴル大使を最後に、2011年11月外務省を退職。
東大の非常勤講師、名大の参与・客員教授・特任教授を経て、
現在、名大の非常勤講師。
モンゴル国立大学より
名誉経済博士号および名誉外交学博士号を授与、
モンゴル国立教育大学ならびに同医科大学より名誉教授、
同科学技術大学より顧問教授などの称号を授与。
2012年より、ライセンスアカデミーの学術顧問。
2020年、外交功労賞として瑞宝中綬章を受章。

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