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「人をつくる教育を考える―江戸時代の事例から(その1)」 筆者・内藤徹雄

今回よりこのコラムを担当させていただきます、
歴史が趣味の自称「歴爺(れきじい)」です。
昨年3月まで22年間、大学で教鞭をとっていました。
どうぞよろしくお願いいたします。

今からおよそ150年前の明治維新を経て、
日本は近代国家の仲間入りを果たしました。
我が国は驚異的な早さで西洋文明を採り入れ、
欧米列強に比肩する国家になりましたが、
その背景には江戸時代から続く
教育水準の高さがあったといわれています。
江戸時代は、戦国時代の殺伐とした社会から180度転換した、
史上まれに見る平和な時代でした。

長期にわたる平和は、
「武より文」の時代をもたらし、学問が興隆し、
支配層である武士階級だけでなく、
農工商など庶民層にも学問が広まりました。
幕末には全国に約270の藩校のほか、
各地に高名な学者の私塾があり、
またおよそ5万もの庶民教育の場である寺子屋がありました。
当時の世界では、
日本は最も識字率の高い国になっていましたが、
こうしたことが日本の近代化の原動力になりました。

本シリーズでは、
私がこれまでに訪問したかつての藩校や私塾の中で、
優れた教育理念や人材育成法を実践した事例を
紹介していきたいと思います。
具体的には、吉田松陰の松下村塾や緒方洪庵の適塾、
そして、会津藩校日新館や薩摩の郷中教育などです。
これらは幕末から明治にかけて、
日本の近代化に貢献した
多くの歴史上の人物を輩出した教育機関です。
興味を持っていただければ幸いです。

【プロフィール】
1944年 福井県生まれ。
東京外国語大学スペイン語科(国際関係課程)卒業。
太陽神戸銀行、さくら銀行(現、三井住友銀行)において、
20年あまり国際金融業務に携わる。
その後、さくら総合研究所(現、日本総合研究所)エコノミストを経て、
共栄大学教授・副学長、神奈川大学客員教授等を歴任。専門は国際経済、国際金融。
現在、学校法人中央学院常務理事、共栄大学名誉教授、松実教育総合研究所理事。