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「コロナ禍と大学中退」 筆者・小林雅之(桜美林大学総合研究機構 教授)

文部科学省調査によれば、
8月末までの大学中退者は全学生の0.38%と、
例年(令和元年度0.48%)に比べて多くはなく、
経済的理由による中退(除籍)も、
2割強と例年とほとんど変わらない。
この要因として、
本メルマガでもお伝えしてきた修学支援新制度や
コロナ対策の学生支援が、
今年度から実施されていることが考えられる。

文部科学省は、
授業料の延納は98.3%、
減免は71.8%の大学が実施していることも明らかにした。
しかし、
授業料の減免や延納は大学の財政難に直結する問題でもある。
多くの大学では、今年度末まで授業料を延納できたとしても、
その後、長期にわたり延納を認めることは難しいと考えられる。
延納や減免が認められないと、
授業料未納による中退(除籍)が増えることが懸念される。

これに対して、文部科学省は12月18日、
各高等教育機関に対して、
「それぞれ実施している授業料等の納付猶予、分納、
免除および減額に関する制度等も踏まえて、
納付時期の猶予等の弾力的な取扱いや
減免等のきめ細かな御配慮をいただくよう、
改めてお願いします。
くれぐれも、経済的理由によりやむを得ず、
授業料等の期限までの納入が困難となっている学生等を、
即座に除籍とする等の不適切な対応を
行うことがないようにしてください」
と、異例のお願いを行った。
各高等教育機関も厳しい状況にあるだろうが、
中退が増えないことを祈らずにはいられない。

【プロフィール】
東京大学名誉教授、現・桜美林大学教授。
主な研究テーマは「高等教育論」「教育費負担」「学生支援」「学費」。
奨学金問題の第一人者として知られ、
『大学進学の機会』(東京大学出版会)、
『進学格差』(筑摩書房)など著書多数。