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「私の好きな言葉・座右の銘(その9)」 筆者・城所卓雄

「石の上にも3年」
本格言の意味には諸説ありますが、
筆者の体験から言えることは、
冷たい石の上でも長い間座り続ければ、
その石も暖まることから、
「何ごとも忍耐強さが大切だ」とか、
「辛いことにも諦めず続ければ成果は得られる」
という意味があると認識・理解しています。

以前紹介しました「雨だれが石を穿つ」の「石」と同様、
日本語では、「石」は日本人にとっては
身近な良い意味で使われていると思います。
世界に目を転じますと、
「石」は「誕生石」などに利用されています。

ところで、筆者は、外交官として、
とても寒い勤務地の経験があります。
例えば、モンゴルでは、
1年間のうち半分以上が冬なので、
各家庭内への暖房提供は、
9月15日から翌年5月15日まで、
ロシアでは、これらがモンゴルより短く、
10月15日から翌年4月15日までです。
モンゴルもロシアも冬期はとても寒いので、
冬期は自動車の屋外駐車はできません。
というわけで、モンゴルにもロシアにも、
「石の上に座り石を暖める」という生活文化はありません。

本格言の英語表現に近いのは、
「Slow and steady wins the race.」だと思います。

【プロフィール】
1969年、外務省入省、
在サンクトペテルブルク総領事を経て、
駐モンゴル大使を最後に、2011年11月外務省を退職。
東大の非常勤講師、名大の参与・客員教授・特任教授を経て、
現在、名大の非常勤講師。
モンゴル国立大学より
名誉経済博士号および名誉外交学博士号を授与、
モンゴル国立教育大学ならびに同医科大学より名誉教授、
同科学技術大学より顧問教授などの称号を授与。
2012年より、ライセンスアカデミーの学術顧問。
2020年、外交功労賞として瑞宝中綬章を受章。

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