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「私の好きな言葉・座右の銘(その6)」 筆者・城所卓雄

雨だれが石を穿つ(うがつ)。
(漢書:泰山之霤穿石
注:「霤」は、「雨」冠に「留」の漢字。あまだれ、したたり落ちる雨水などの意味をもつ

本諺の「現象」に遭遇したのは、4~5歳くらいのときでした。
当時は、雨がトタン屋根から雨樋(あまどい)を経由して
堅桶(かたどい、トタンのパイプのような物)から
地面に落ちて来ました。
特に、大雨の時には、
堅桶からドサッと雨が地面に落ちて来たので、
庭の一角にあった廊下に面した部分には、
その度ごとに大きな穴ができました。
そこで、父親が思いついたのが、
30cm四方の庭石を、その堅桶の真下に置くことでした。
大雨も小雨もありましたが、
いずれにしても、2年程経過しますと、
この石にひびが入り、最後は見事に割れてしまいました。

その後、小学生や中学生の頃、この格言を知ることになり、
意味するところを理解することができました。
「どんなに小さな力でも、根気よく続けて行けば、
いつかは必ずその成果を得ることができること」を、
すでに小学生になる以前に直接体験できました。
また、中学生になり、
日々小さな努力を積み重ねて行くことが、
結果的には素晴らしい成果を生むと理解しました。

昨年のメルマガにも投稿しましたが、
中学1年生の秋から、
大学生による英語の個人レッスンを受け始めた結果、
2年生の2学期からこの英語の成績が、4から5に上昇し、
3年生の5月に校内英語テストで
学年で1位となることができました。
これをきっかけに、
英語に加え他の科目の成績も、ほぼ5となり、
4のままで中学校を卒業したのは、
体育と職業の2科目だけでした。
英文表記では、以前紹介した
「Rome was not built in a day.」
が一番近いと思います。

【プロフィール】
1969年、外務省入省、
在サンクトペテルブルク総領事を経て、
駐モンゴル大使を最後に、2011年11月外務省を退職。
東大の非常勤講師、名大の参与・客員教授・特任教授を経て、
現在、名大の非常勤講師。
モンゴル国立大学より
名誉経済博士号および名誉外交学博士号を授与、
モンゴル国立教育大学ならびに同医科大学より名誉教授、
同科学技術大学より顧問教授などの称号を授与。
2012年より、ライセンスアカデミーの学術顧問。
2020年、外交功労賞として瑞宝中綬章を受章。

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