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コロナ禍の中の学生生活 著者:小林雅之(桜美林大学総合研究機構 教授)

コロナ禍の中での学生の状況について、
各種の調査によって、次第に実態が明らかになってきた。
たとえば、毎日、課題をこなすだけで精一杯などと
オンライン授業への悲鳴も聞かれる。
学生の学習の負担増はわかるのだが、
もともと大学設置基準では、
1単位について、
「1時間の授業」と「2時間の予習と復習」をすることになっている。
予習、復習については、
建前のように思えるかもしれないが、
本来、「単位」とはそのような意図が込められているのだ。

通常、大学の授業は2単位が多く、
それぞれ2時間と4時間で計6時間の学習が必要だ。
1週間で最大45時間の学習時間としても、
最大で45÷6で7.5コマしかとれない
(実際、アメリカの場合、週2回授業では、
3から4科目しか取れない)。
1学期15回の授業で2単位となる。
したがって、7.5コマ×2学期×2単位で
最大でも30単位しか取れないはずだ。
しかし、予習・復習の時間を十分に取らず、
10コマ以上の授業を履修し、
卒業に必要な124単位を3年までにほとんど取得して、
4年生は就活に専念している学生も多い。

問題は、現在のコロナ禍でも多くの学生は、
従来のように多数の科目の履修登録を
しているのではないかと思われることだ。
ほとんどのオンライン授業で課題が出されるため、
10コマ履修していれば、
毎週10の課題をこなさなければならない。
大学設置基準通りであれば、
1週60時間の学習が求められるのだ。
これでは、課題に追われ、余裕などないのも当然だ。
しかし、問題は学生だけにあるのではなく、
大学側にもある。
この点は、次回にお伝えしたい。

(桜美林大学総合研究機構 教授 小林雅之)

【プロフィール】
東京大学名誉教授、桜美林大学教授。
主な研究テーマは「高等教育論」「教育費負担」「学生支援」「学費」。
奨学金問題の第一人者として知られ、『大学進学の機会』(東京大学出版会)『進学格差―深刻化する教育費負担』(筑摩書房)など著書多数。