「面接にはAIとアイを」筆者・青木勝美

AI面接を導入する企業が急速に増えており、
導入した9割の企業が満足しているとの報道があった。
AI面接とはどのようなものか、動画を観てみた。
女性のキャラクターが画面に登場し、明瞭で適度な速さで話しかけてくる。
質問の答えに対して、深堀する質問が発せられる(結構するどい)。
面接者への気遣いをしつつ、テンポよく進められる。
リアルな面接試験よりも威圧感はそれほどない。しかし、逐一録画され、
表情や態度が評価されていると思えば緊張感が走る。

タイパやコスパを気にする若者世代には、
スマホやPCでいつでもどこでも受けられることから、
遠距離であっても移動時間や費用の節約となり、
挑戦できる企業の選択肢が広がるメリットがある。
AI面接を導入した企業の多くが、応募者が増えたというのも頷ける。
(しかし、昨年4月に大学卒業対象者1,385人に聞いたところ、
78%が「AI面接は受験意欲が下がる」と答えている(マイナビ調査))。
企業側も、担当者ごとに評価基準が違ってしまう課題を、
AIによって評価基準のバラつきを減らすことができる。
また、応募者全員と短期間に面接が可能となり、
AIが採点データを瞬時に提供することから、採用にかかる諸経費の削減ができる。
いいとこ尽くめであるように思えるが、4月20日の日本経済新聞に
「就活のAI面接は公平か」いう記事が掲載されていた。記事の一部を引用すると
「AI面接を巡っては、公平性や信頼性の確保が問題になっている。
AIがネット空間から性別や大学、国籍、年齢に関して偏見を含んだ情報を
機械的に学習した場合、ゆがんだ評価を出す社会バイアスの問題が指摘されるためだ」。
AIは中立というのは、人間の思い込みであるようである。

さて、高校生の面接試験に、AIは使われているのだろうか。
今まさに各学校において面接指導が始まろうとしている。
私も、面接指導講演会を何校かでさせてもらった。人と人との面接を想定しているが、
もしも、AI面接となった場合、どのような対策が必要なのかAIに聞いてみた。
以下AIの答え
「頻出質問をもとに自己PR・ガクチカ・志望動機などを、
30~90秒で一貫性のある回答を話す練習を重ね、
カメラ目線・声量・表情を意識して録画練習することが最重要」
と答えてくれた。カメラ目線を面接官への目線とすれば、リアル面接と変わらない。

私が現役のころ、自己表現力やコミュニケーション力が不足している生徒がいた。
9月の試験までに面接練習を課したことがある。途中で挫折するかと思われたが、
10回目を超えたあたりから表情が明るくなり、正確な言葉遣いになった。
卒業前の“進路報告会”で「面接演習は何度やってもやり過ぎはない」と言ってくれた。
AIは面接練習もやってくれるのだろうか。
AI面接は、応募者が多い1次面接で実施されているようである。
最終的には人が判断しているのであるが、「そこには、アイ(愛)があるのか」と問いたい。

【プロフィール】
1983年4月より群馬県公立高校教員として勤務
学科主任、学年主任、保健主事、進路指導主事等歴任
2019年、平成30年度 専門高校就職指導研究協議会全国発表
2022年3月、群馬県公立高校教員完全定年(再雇用含む)
2022年4月よりライセンスアカデミー東日本教育事業部顧問として、
おもに就職関係の進路講演、面接指導等を各学校で行う