夏の風物詩でもある甲子園(全国高等学校野球大会)。
今年の大会は、地元群馬県の高校が決勝戦に進出するという快挙を達成した。
そもそも、私はそれほど熱心な高校野球ファンではないが、
大会直前に大震災に見舞われながらも、逆転、逆転で勝ち進んだ熊本県の代表校や
150キロ台後半が出せる超高校級の投手、もちろん地元の高校も
“にわか”として時々テレビやラジオを視聴しながら応援していた。
仕事柄、この子たちの進路はどうなるのだろうと、心配になるのは悪い癖。
今年も、熱戦が繰り広げられていたが、日本経済新聞8月16日付の一面に
「観戦熱狂でも球児増えず」という見出しの記事が掲載されていた。
それによると「プロ野球やJリーグの観客動員が過去最高を更新する傍ら、
裾野に当たる子どもの競技人口は少子化を上回るペースで減少」しているというのである。
野球においては「2023年の小学校の硬式・軟式を合わせた競技人口は、10年前から4割減」、
サッカーにおいても、「2025年の選手登録は10年前から11%減少」
となっているとのことである。
同様に日本経済新聞7月27日付の記事に「先細る中学部活 競技無くなる?」とあり、
2027年以降に全国中学校体育大会の競技種目のうち水泳、ハンドボール、体操をはじめ、
数々が取りやめとなる。これらは、高校の部活動に波及している。
急激な少子化により学校単位の部活動は、今後ますます衰退していくのだろうか。
部活動に入っていると進路実現に有利であるとの説があった。
就職求人に来校された採用担当の方々を対象に、
数年亘り「どのような生徒を望んでいるのか」とダイレクトに聞いたことがある。
「やる気さえあれば」、「真面目に仕事に取り組んでくれれば」との後に、
「部活動をやっている生徒がいい」。
その理由は、「協調性や責任感が身についている」との返答が多数であった。
また、12、3年ほど前に、当時の赴任校で過去3年間のデータをもとに、
就職先と部活動の関連性について調べたことがある(あくまでも学校内・個人的な資料として)。
単純に卒業生が所属していた部活と進路先を結び付けたものである。
予測はしていたが、同じ部活の出身者が連続して入社している会社が多いことが明確となった。
その年も同様なケースであったので、該当する生徒に直接聞くと
「先輩がいるから」という答えが返ってきた。さらに、先輩が時々部活中に顔を出し、
就職先の仕事内容や給与・福利厚生関係を後輩たち聞かせ、もちろん差し入れ持参で、
なにげなく勧誘していたようである(会社からの指示ではないと、担当の方から聞いていた)。
部活動つながりの会社は、優良企業が多く、多数の生徒が第一希望としていた。
それでも、学校推薦を得られたのは、学業成績が充実していたからである。
ただ部活動に所属していれば進路実現ができるわけではない。
部活動は上下の人間関係を通して、得られる情報を活用し、
人間形成ができる場であると改めて気づかされた。
今後、教員の働き方改革や少子化により、部活動はどうなるのか注視していきたい。
【プロフィール】
1983年4月より群馬県公立高校教員として勤務
学科主任、学年主任、保健主事、進路指導主事等歴任
2019年、平成30年度 専門高校就職指導研究協議会全国発表
2022年3月、群馬県公立高校教員完全定年(再雇用含む)
2022年4月よりライセンスアカデミー東日本教育事業部顧問として、
おもに就職関係の進路講演、面接指導等を各学校で行う
