薬剤師になるには?進路選びのポイントや大学・学費・キャリアまで解説

薬剤師になりたい、でも「どの大学を選べばいいの?」「学費や勉強内容は?」「国家試験って難しい?」と迷っていませんか?実は、高校生のうちから薬剤師を目指す準備がしっかりできます。6年制薬学部の進学が第一歩。学科選びや入試の準備、学費やキャリアのことまで、この記事では高校生の疑問にアドバイスする形で、順番にわかりやすくまとめています。まずは、薬剤師になるための進路と資格取得の流れから見ていきましょう。
この記事でわかること

・高校生でも、今から薬剤師を目指せます

・受験資格は6年制薬学部の卒業で得られます

・国公立・私立で学費に大きな差があるので、早めの資金計画がポイント

・国家試験は新卒での一発合格を目指しましょう

・就職先や将来のキャリアも幅広い

・高校の選択科目・勉強法・オープンキャンパスの活用まで徹底ガイド

薬剤師を目指せる学校一覧

薬学が学べる大学・短期大学・専門学校一覧(全国)はこちらをご確認ください。

薬剤師になるには何が必要?

薬剤師を目指すなら、まずは「何が必要か」「どんな手順で資格が取れるか」を押さえておくことが大切です。ここでは、薬剤師になるための全体像や、進学すべき大学、国家試験までの流れを詳しく解説します。

薬剤師への道のりと進学のポイント

薬剤師になるには、6年制の薬学部に進学し、卒業後に国家試験に合格するというステップが必要です。以下の流れを意識して、進路選びと準備を進めてみましょう。

ステップ内容
1. 進学6年制薬学部(薬学科など)への入学
2. 大学での学び基礎科学・薬学の専門分野・臨床実習を6年間で修得
3. 実習病院・薬局での実務実習(5年次)
4. 国家試験受験卒業(見込み)後に薬剤師国家試験を受験
5. 免許登録合格後に厚生労働省へ申請、薬剤師免許を取得
6. 就職薬局・病院・製薬企業などへの就職

4年制(創薬科学科など)は研究者養成が中心で、薬剤師の国家試験を受けられないため、間違えないようにしましょう。

薬剤師の資格取得までの流れ

薬学部入学から薬剤師になるまで、どのような勉強や実習があるかもチェックしておきましょう。

1. 1〜4年次:化学・生物・物理・薬理学など基礎~応用まで幅広く学びます。
2. 4年次:全国共通の薬学共用試験(CBT=知識、OSCE=実技)に合格する必要があります。
3. 5年次:病院と薬局でそれぞれ11週間、合計22週間の実務実習を体験します。
4. 6年次:卒業研究と国家試験対策。修了見込みで国家試験を受験。
5. 国家試験合格→免許申請:薬剤師名簿に登録し、初めて薬剤師として働くことができます。

大学選びで迷ったら?重視するべきポイント

大学選びで一番大切なのは「6年制薬学部」かどうかを必ずチェックすること。そのうえで、国家試験の合格率や実務実習の充実度、学費や立地、サポート体制をしっかり比較しましょう。合格率が高い大学はサポートや対策講座が充実していることが多く、就職やキャリアにもつながります。実習先の病院・薬局が多いか、卒業生の進路が自分の希望に合っているかも確認しましょう。

薬学部受験のために高校生が今からできる準備

薬剤師になるには、受験の段階から理系科目や英語の力が必要です。高校生のうちにどんな準備をしておくと良いのか、勉強法や科目選択、受験で気をつけるポイントについてまとめました。

理系科目・英語の基礎固め

薬学部受験では「化学」「生物」「数学」「英語」が重要です。大学ごとに入試科目が違う場合もあるため、早めに志望校の入試要項を確認しましょう。基本は理系クラスでの履修が前提。学校によっては「物理」を選択する場合もあります。

受験に必要な偏差値と選択科目

大学区分偏差値の目安必要な科目ポイント
国公立57~68数学・英語・理科2科目共通テスト+個別(二次)試験
私立35~65数学(ⅠA・ⅡB)、英語、化学3科目型が主流。大学ごとに異なる

偏差値や科目の組み合わせは年によっても変わるため、必ず志望大学の最新情報をチェックすることが大切です。

受験勉強の進め方アドバイス

・数学・化学・生物は、まず教科書の基礎から原理の理解を深めましょう
・定期テストだけでなく、模試や過去問で“本番力”をつけることも忘れずに
・苦手分野は後回しにせず、できるだけ早めに克服しましょう
・小論文や面接の対策も、高校2~3年生のうちから始めるのがおすすめです
・「なぜ薬剤師を目指すのか」自分の言葉で答えられるように考えておくと安心です

オープンキャンパスの活用で“納得の進路選び”を

大学の実習設備や在学生の雰囲気を自分の目で確かめられるのがオープンキャンパスです。在学生・教員に直接質問すると、学校ごとの違いや学びの内容がよりリアルにイメージできます。気になる大学は必ずオープンキャンパスに申し込んでみましょう。

在学生・教職員への質問例

・国家試験対策のサポートはどんな体制ですか?
・授業や実習で大変な点、面白い点は何ですか?
・利用できる奨学金制度にはどんなものがありますか?
・就職やキャリアサポートは充実していますか?

薬学部の学費と資金計画の立て方

6年制薬学部への進学は、学費も生活費も大きな投資になります。国公立と私立で大きく差があるので、早めに資金計画を立てましょう。奨学金や教育ローンの活用方法についても紹介します。

学費の内訳と支払い時期は「『学費』について—奨学金の基礎知識」

国公立・私立の学費目安と比較

私立は留年や卒業延期が追加の学費負担に直結します。合格率や留年率の低い学校を選ぶことも大切です。

奨学金やローン、支援制度も活用しよう

日本学生支援機構(給付型・貸与型)
・大学独自の奨学金や特待生制度
・薬局チェーンや医療法人による支援付き奨学金
・地方公共団体や民間財団の奨学金
・教育ローン

それぞれ返還条件や義務が異なるため、自分や家族の状況に合ったものを選んでください。


給付型奨学金についての詳細は、以下記事をご確認ください。

返さなくていい奨学金って?

薬剤師国家試験の仕組みと合格への道

薬剤師になるための最終関門が国家試験です。新卒で一発合格を目指すために、大学生活や試験勉強をどう進めるとよいか解説します。

国家試験までの準備とスケジュール

・4年次:薬学共用試験(CBT・OSCE)に合格する
・5年次:病院・薬局での実務実習(各11週間ずつ)
・6年次:卒業研究と並行して国家試験対策
・国家試験は年1回、2日間にわたって実施
・合格発表後、薬剤師名簿に登録し免許が交付されます

国家試験の難易度・合格率をチェック

試験回次全体合格率新卒合格率既卒合格率
第110回68.85%84.96%43.94%
第109回68.43%84.36%43.16%
第108回69.00%84.86%44.57%

新卒合格率は約85%、既卒は半分以下です。できるだけ現役合格を目指して勉強を進めることがポイントです。

最新の合格率は「2024年度 国家試験合格者状況一覧(薬剤師:合格率等)」をご覧ください

試験対策のアドバイス

・すべての分野で偏りなく勉強しましょう
・模擬試験や対策講座を積極的に活用する
・実習や卒業研究の合間も計画的に復習を続ける
・体調管理やストレス対策も重要です

薬剤師の就職・キャリアパスを考えよう

薬剤師の免許取得後には、薬局や病院だけでなく、企業や行政など幅広い選択肢があります。将来のキャリアを見据え、どんな働き方ができるかを知っておきましょう。

代表的な就職先と業務内容

就職先主な業務
調剤薬局処方箋調剤・服薬指導・在宅医療・健康相談
病院・診療所病棟薬剤業務・チーム医療・注射薬調製
製薬企業研究開発・品質管理・学術・MR
行政・公務員薬事監視・食品衛生指導・公立病院勤務

薬局や病院で働く人が多いですが、企業や行政でも専門性を活かして活躍できます。

薬剤師のキャリアアップと将来性

・経験を積み「管理薬剤師」やマネジメント職への昇格
・認定薬剤師・専門薬剤師などの資格で専門性を高める
・調剤業務だけでなく、在宅医療や地域連携で活躍
・将来は薬局開業も目指せます

テクノロジーの発展で、薬剤師の役割も変化しています。調剤や在庫管理は効率化される一方、患者さん一人ひとりへのサポートや、他職種とのチーム連携がより大切になっています。

高校生が今から始められる薬剤師への一歩

入試や大学生活でつまずかないために、高校生のうちから始められることがたくさんあります。ここからは、今日からできる行動や準備についてアドバイスします。

理系科目・英語の学習習慣を作る

・数学・化学・生物・英語をコツコツと学ぶ習慣が大切です
・公式や反応式は「なぜそうなるのか」まで理解してみましょう
・定期的に模試や過去問に取り組み、弱点を早めに補強しましょう

オープンキャンパスや資料請求で情報収集

・大学の施設や学習環境を実際に見てみましょう
・気になる大学は資料を取り寄せて比較することが大切です
・オープンキャンパスでは在学生や先生に積極的に質問してみましょう

全国の開催情報まとめは「オープンキャンパスに行こう!全国の情報まとめ

進路や勉強について相談する

・進路情報サイトや高校の先生、予備校のチューターにも相談しましょう
・保護者と一緒に資金計画や奨学金についても検討しておくと安心です

薬剤師を目指すあなたへ。次にやるべきことは?

ここまでで、薬剤師になるまでの流れや大学選び、受験準備のポイントがイメージできたはずです。次の一歩として、気になる学校の資料請求やオープンキャンパス申し込みをして、実際に比較検討してみましょう。「薬剤師のほかにも医療系の進路が気になる」という人は、理学療法士や看護師など、他の分野もあわせて調べてみるのもおすすめです。

薬剤師を目指せる学校を探す

・薬剤師を目指せる学校一覧はこちら
・薬学が学べる大学・短期大学・専門学校一覧(全国)

ほかの医療・看護系分野も調べてみたい方へ

・医療・看護系学校特集はこちら