文学ってどんな学問?学べる学校や活かせる就職先を解説!

「日々触れることの多い言語表現を仕事にしたい」そう思う学生も多いのではないでしょうか。

文学というと文才あふれる“小説家”をイメージする方も多いと思いますが、「言語表現による芸術作品」そのものを意味し、幅広い分野を扱います。
文学を学ぶということは一体どのようなことなのかなどを含め、今回は実際に文学を学びたい方へ向けて、通った方がいい大学・学部についてもまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

文学とはどんな学問か

上述の通り、文学では“小説”や“詩”を扱うことだけではなく、一般的に「文の分野全般」を意味します。
ここでは文学とは具体的にどんな学問なのかを解説していきます。

文学とは言語を用いて表現する表現作品のこと

どうしても文学というと文を主として扱う分野だと思われがちですが、心理学、哲学、芸術学などの分野も文学で学ぶ対象の扱いになります。
文学とはとても幅広い分野を扱っており、人間が生み出した文化全てが文学といえます。

文化全般の広い視点の分野を扱う

文学は幅広い分野を扱いますが、中でも日本をはじめとした英米仏独など各国の文学を扱う学科が主になります。その国々での文化を研究、そして発表をする場も多いことから、文学は人間の生き方を探求する学部といわれています。

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文学は何をどうやって学ぶのか

そんな幅広い分野を扱う文学ですが、具体的に何をどう学ぶのでしょうか。以下詳しく解説します。

何を学ぶのか

文学では主に日本や海外の文学を通して歴史や思想、文化を学びます。他国の文学を学ぶ際にはその国の言語の理解力も身につくため、言語を読み解く力や語学力を身につけることができます。その他にも、

  • 心理、思想系
  • 歴史、地理学

なども学ぶことが多いとされています。

どうやって学ぶのか

一例では、学生が研究テーマに沿った国を選び、資料を元に自分で研究して発表するといったことがあります。自分で考えたことや思ったことを言語化してまとめ、相手に伝えることは文学としてとても重要な部分といえるでしょう。
逆をいえば「資料集めが苦手」「読書が苦手」といった場合だと、資料集めから内容の読み込み、発表に至るまで苦労する場合が多いため、注意が必要です。

文学を学ぶことで取得できる資格

文学を学ぶことでどのような資格取得を目指せるのでしょうか。ここでは資格別に受験に必要な条件などを紹介していきます。

中学校教論一種・二種免許状(国語)

中学校の国語の先生になるためには、四年制大学または短期大学の教職課程で単位を取得する必要があります。
文学に限らず、教育学部出身者も受験しやすい傾向の資格であり、私立中学校の教員に進む場合は各学校が独自に実施する選考を受けて合格する必要があります。

高等学校教論一種・二種(国語)

高等学校の国語教員になるためには複数の方法があります。

  • 教職課程が設置されている大学の教育学部の国語教育専攻で教員免許を取得
  • 教職課程が設置されている大学の文学部の国文科専攻で教員免許を取得
  • 大学院を卒業して専修免許を取得

教職課程が設置されていれば、文学部での学びをこの資格取得に活かすことができます。ただし、受験する場合は高等学校教論一種免許状(国語)を取得済み、または取得見込みであることが必須です。
国立高校の採用試験は都道府県の教育委員会などによって、筆記試験・面接・実技・模擬授業が行われます。

学校図書館司書教論

学校図書館司書教論は、公立、私立の学校で、図書資料の選択や管理、読書案内などをする専門的な職員です。
学校図書館司書教論を取得するには、小中高学校または特別支援学校の教論免許状を取得するとともに、所定の機関で司書教諭講習を受講する流れです。
講習を受講した後に教論として採用され、学校から司書教論となるよう指示があった場合に司書教論としての職に就くことができます。

博物館学芸員

学芸員とは博物館資料の管理や展示、調査研究を行う博物館の専門的な職員です。
学芸員になるには、

  • 文部科学省令の定める博物館に関する科目の単位を修得
  • 文化庁が行う資格に合格すること

などが必要となってきます。
試験認定も細かく設定されており、四年以上の学芸員補の職にあった者などの経験も必要になってきます。

文学部で学ぶことでこれらの資格を取得・職を目指すことができます。文学について学ぶだけではなく、これらの職業を目指しながら勉強を進めることも目標が明確になるためおすすめです。

文学が活かせる就職先・業界

次に、文学が活かせる就職先や業界について解説します。
文学部はどうしても求人が少ないイメージがありますが、就職に不利ということはありません。就職可能な業界は多岐にわたるため、広い知識を持つことや進みたい業界を考えて就職先を探すことが大切です。主な就職先や業界は下記のとおりです。

業界就職先
公務員(教員など)小学校、中学校、高校教員、大学教員
出版、広告、マスコミ業界新聞社、出版社、WEB広告のベンチャー企業など
金融業界証券会社、銀行、保険会社、金融機関など

詳しく解説します。

公務員(教員、司書、学芸員)

文学で活かせる資格でも解説した通り、教育関係の就職先は文学部出身の人から人気の就職先となっています。中でも大学教員は大変人気で、理由には「転勤がない」「景気に左右されない」「給料が高い」などといったことがあげられます。実際に大学教員として働く人も満足度は高いといわれています。

出版、広告、マスコミ業界

文章を扱うことが多い文学部にとってイメージが近いのがこの出版のようなメディア業界ではないでしょうか。
今後はペーパーレスの時代が加速する傾向にあることから、どの業界もWEBメディアを多く取り入れていくことが予想されます。
就職先を選ぶ際はWEBメディアを多く取り入れているところを探すのも一つの手です。WEBメディアは個人のスキルも得ることができるので、最終的に独立を目指したい人もおすすめです。

金融業界

金融業界と聞くとどうしても“銀行”をイメージする方も多く、数字を扱う業種から「文学のイメージではない」と考える方もいます。しかし、実際には文学部出身の人も多くいます。金融業界には保険会社や証券会社も含まれており、それぞれの仕事はお客様と密にかかわる「窓口」および「営業」を担当します。このような業務では、文学部で身につく、わかりにくいことをわかりやすく説明する力が必要となってきます。
金融業界のいいところは、金銭面において安定しているところです。現場では大変なことも多いですが、やりがいのある大変魅力的な職業といえます。

文学が向いている人

次に、文学が向いている人の特徴をあげていきます。
もちろん現時点で全て当てはまる必要はなく、足りない部分は今後身につけていけば大丈夫なので安心してください。

人間の文化や歴史が好き

文学では各国の文化や歴史を学ぶため「文化や歴史を調べるのが好き」という方に向いているといえます。
自分の調べたことをまとめて発表できる場があるというのは貴重な経験です。今後就職した上でも活かせるスキルとなるでしょう。
文化や歴史に興味を持ち、生きてきた人々の生活を積極的に学ぶことができます。

探求心が強い

色々な物事に対して「どうしてこれはこうなるのか」「なんでこういう結果になるのか」など、常に疑問を持てる探求心がある人は文学に向いています。文学では「自分考え、まとめる力」を養います。そのためにはまず物事に対して疑問を持つことが大切です。
疑問に感じたことは自分なりに納得するまで実際に調査をしたり、まとめたりすることが必要となるため、常に「なぜ?」と考えられる人は文学を楽しく学ぶことができるでしょう。

やりたいことが明確にある

「これを調べたい」「この歴史を学びたい」といった明確なビジョンがある人は文学に向いているといえます。
文学は授業で習うことだけではなく、自身が学びたいことをより深く学ぶ学部です。自分が何を調べたいのか、何を今後学んでいきたいかなどが明確である必要があります。
歴史などは大学入学前にも学ぶ機会はありますが、文学ではより深く、専門的に学ぶことができるので、その魅力に楽しさを感じることができるでしょう。

文学と関連性のある学問

次に、文学と関連性のある学問の紹介です。

哲学

その文章が書かれた時代の考え方を知るためには、哲学という学問が必要になってきます。
哲学では、その時代の事象や人の行動や考えはどんな本質が元となっていたのかを考える学問です。この考え方や知識は文学を学ぶ上でも必要な思考です。

心理学

心理学は文学と隣り合わせといっても過言ではありません。人の心に寄り添い、気持ちを伝えるためには言語化や考え、伝える力が必要不可欠だからです。物語で登場する作者の内面を知る力を得られるのも文学の特徴であるため「人はなぜこのような行動をとるのか」などを考えられる力が身につく心理学は文学と関連性のある学問です。

歴史学や社会学

文学では歴史を学ぶことが多いことから、歴史学や社会学とも関連性があると考えられます。その時代の社会の動きとは人間の内側の表れでもあるため、歴史学や社会学は文学にとってかかわりの深い学問と言えるでしょう。

比較文化学

比較文化学では、国や民族ごとに違う文化を比較する特徴があります。
文学作品だけではなく、その時代に使われていた衣服や道具、ライフスタイルも研究することがあり、歴史と関係が深い文学とも関連性が高いといえます。

文学はどんな学校で学べるのか

文学を専攻するにはどの学校で学ぶと良いのでしょうか。以下で解説します。

大学や短大の学科、学部について

大学や短大で文学を扱うことは多くあります。
一口に文学と言ってもたくさんの種類の講義が存在し、日本文芸学概論からジェンダー講義まで多岐にわたります。
マンガ好きの方には「マンガ文化論」もあり、最近の作品や実写化映画についても論じることができるので楽しく学ぶことができます。

専門学校について

文学を学ぶには必ずしも大学や短大へ入学するわけではありません。文学だけではなく、文学に関連する文芸、心理、歴史、地理などといったことが学べる専門学校も多くあります。「特にこの分野を強く勉強したい」といったビジョンが明確であれば、その専門学校を選ぶことも一つの手です。

文学を学べる学校の選び方

文学を学ぶためにはどの学校を選ぶかが大変重要になってきます。
どの分野に進みたいなどを明確にするためにも、進学前から文学に関連する業界について調べておきましょう。

将来、どういった職業を目指すかで学科を絞る

自分が将来、どの職業を目指すのかを明確にすることによって学科を絞っていきましょう。上で例にあげた文学を活かせる職業であれば、文学で培ったスキルを発揮することができます。
入学する前に「この学校はどんな職業に強い内容を学べるのか」を明確にすることは、学校選びにおいて重要な要素になります。

カリキュラムやフィールドワークの概要

進みたい学校の目星がついたら、その学校で行われるカリキュラムやフィールドワークの概要を確認しておきましょう。
これらは今後自分が学んでいく上で重要なポイントであり、カリキュラムやフィールドワークが自分に合うかで学校生活の満足度が変わってきます。より良い学校生活を送るためにも、入学前にどんなことを行うのかしっかり確認しておきましょう。

また、進路ナビでは、文学を目指せる大学や専門学校を紹介しているので以下のページから大学や専門学校を探してみましょう。

文学を目指せる大学・短大一覧

文学を目指せる専門学校一覧

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