将来どのような仕事をしたいかと聞かれたら、すぐに答えられますか?どんな職業かまではまだ決めていないけど、とにかく稼げる仕事をしたいと思う人もいるでしょう。そのためには初めに目標を明確に持つことが大切です。稼げる仕事にはどのような職業があるのかを知って、その中から興味が持てる職業を選ぶことから始めてみましょう。職業が決まれば、その職業に就くためにどのような勉強をしたらいいのか、そのためにはどの学校で学べばいいのかなど、具体的な事がわかり進路が決めやすくなります。ここでは、稼げる仕事として給料や年収が高い職業やその仕事の特徴を紹介します。
稼げる仕事とは給与や年収の金額が高い仕事です。将来なりたい職業の給料や年収が高いか低いかを判断するのには目安が必要です。国税庁が行った「令和2年分民間給与実態統計調査」(2019年)によると、1年を通して勤務した給与所得者の平均年収は約436万円で、内訳は平均給与は約366万円、平均賞与は約70万円という結果になっています※1。 稼げる仕事の特徴は誰にでもできる仕事ではないことです。例えば、難易度の高い資格が必要だったり、今までどのような教育機関で学んできたのかを示す学歴が必要だったり、他の人にはない特別なセンスが必要で、これらの特徴が活かされる仕事の対価が高額な収入となります。
1年を通して勤務した給与所得者の平均年収を業種別にみると、最も多いのは、「電気・ガス・熱供給・水道業」で約824万円、次いで「金融業、保険業」が約627万円、最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」約259万円でした※1。
その他の業種と年収はこちらをご覧ください。
業種 | 平均年収 |
---|---|
電気・ガス・熱供給・水道業 | 824.2万円 |
金融業、保険業 | 627万円 |
情報通信業 | 598.5万円 |
学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業 | 517.5万円 |
製造業 | 513万円 |
建設業 | 490.6万円 |
運輸業、郵便業 | 435.5万円 |
不動産業、物品賃貸業 | 423.6万円 |
複合サービス事業 | 411万円 |
医療、福祉 | 400.8万円 |
卸売業、小売業 | 375.9万円 |
サービス業 | 359万円 |
農林水産・鉱業 | 296.9万円 |
宿泊業、飲食サービス業 | 259.6万円 |
どんな職種の給与や年収が高いのか具体的に見てみましょう。
職業別に年収額を比較した場合、医師が1番給与額が高いという調査結果が出ています。他にパイロットや公認会計士も年収が高い職業です。この結果に共通していることは、専門性が高い資格やスキルが必要な仕事だということです。高齢化社会の日本では、病院にかかる高齢者の数も増えて続けており、近年は医師不足が問題になっています。医師は、緊急患者があるときは、夜間も対応しなくてはならないなど、仕事の内容も激務のため、年収が高いのも納得の職業で平均年収額は約1,337万円になります。
※「医療、福祉」の年収は、医師に次いで歯科医師の年収が約800万円、その他の医療・福祉職の平均年収が約300万円~500万円にとどまっています。また「医療・福祉」産業の就業者数全体に対して医師数は約4%であることから、上記の「令和元年分民間給与実態統計調査結果」では、「医療、福祉」の平均年収は10位になっています。
パイロットは、国内線と国際線では年収にさほど差はありませんが、大手航空会社と格安航空会社など職場の規模によっても年収が変わってきます。また、パイロットの年収は、年齢が上がるにつれて高くなり、役職では、機長、副機長、自社養成パイロットの順に高くなる特徴があります。パイロットは乗客の命を預かる重要な仕事です。緊急の際には、避難指示や緊急着陸の判断など重大な責任を担うことになるので、その分年収が高くなる傾向があり、平均年収額は約1,414万円になります。
大学教授は、大学の生徒に講義や演習を通して専門知識を教え、自身では専門分野の研究をする仕事です。大学教授になるためには、学生を指導するためのコミュニケーション能力や自身の研究テーマにコツコツと取り組む能力が必要になります。給与は大学や企業から支払われる研究費で、大学教授、大学准教授、大学講師の順に年収が高くなります。大学教授は、教鞭をとる学問の分野で長く活躍して業績を出さなければならないプレッシャーがあり、社会的責任を認識して法令を守ることが厳格に求められるため、その分年収が高くなる傾向があり、平均年収額は約1,008万円になります。
公認会計士は、経理や業務を行う会計士の中でも国家資格をもつ職種で、企業の財務書類に間違いはないか、会計は適正かなどをチェックし、財務情報の信頼性を保証する仕事です。その中で、不適切な会計や粉飾決算を見抜けなかった場合は重大な責任を負うことになり、プレッシャーも大きい仕事です。就職先としては、監査法人や企業のコンサルティング部門などです。公認会計士になるには、高い専門性と大きな業務責任にも耐えられる能力が必要となり、平均年収額は約823万円になります。
税理士は国家資格が必要な仕事なので、年収も高そうなイメージがありますが、会計事務所や税理士法人に勤務していて、独立や開業をしていない税理士は給料が安いとも言われています。その業務内容は、日頃から売上明細や領収証、伝票などの様々な経理書類と向き合い、確定申告期や企業の決算期には確認する資料は膨大な量で、ひとつの見落としもできないという緊張を要します。会計事務所は一般企業より給与水準が低いことが多く、平均年収額は約823万円になります。
弁護士は、人や企業の間で起きる様々なトラブルの相談を受け、法的に解決するアドバイスや法的手続きを行う法律の専門家です。トラブルには、借金や離婚、相続などについて争う民事事件、窃盗、傷害、殺人などの刑事事件があり、依頼者が望む結果になるよう、法廷で争ったり、裁判に持ち込むことなく話し合いで解決を図ったりします。このように弁護士の仕事は、社会的に果たす責任が重い業務のため給与は一般のサラリーマンよりかなり高めで、平均年収額は約727万円になります。
建築士は、建築物の設計および工事監理を行う職業です。その中でも一級建築士は国土交通大臣の免許を受け、設計・工事監理等の業務を行う職業です。一級建築士は資格を利用して、個人で設計事務所を経営したり、大手の建築会社で設計管理をしたりと様々な働き方ができます。一級建築士になると活躍の場は広がってきますが、一級建築士試験の合格率は約20%と難易度が高く狭き門となります。給与は働く会社の規模や働き方によって差が出てきますが、平均年収額は約731万円になります。
仕事が未経験であっても、特別な資格がなくても稼げる仕事もあります。
長距離トラックドライバーは、遠方に荷物を運ぶために欠かせない仕事です。より多く稼ぎたい場合は、歩合制の給与体系を採用している企業に就職するのがおすすめです。歩合制なら走った分だけ給与額が増えるので、固定給よりも稼ぐことができます。しかし、仕事の性質上、不規則な生活になりがちだったり、拘束時間が長く肉体的に過酷な仕事ではあります。平均年収額は約463万円になります。
保険外交員は、生命保険契約募集や、アフターサービス、集金などが主な仕事です。生命保険は一般的な商品と違って、目に見えないものなので、お客様からの信頼を得ることが重要になります。その給与形態は、売り上げに応じた出来高制が多く、実力が試される仕事です。平均年収額は約419万円になりますが、保険の契約がもらえなければ最低賃金しかもらえない可能性もあります。
とび職人は、ビルや建造物などの建設現場で足場を組み、鉄骨の組み立てなどを行う技術職です。基本的に学歴や職歴が問われない仕事なので、自分の実力次第でキャリアアップができます。一方で、仕事は主に屋外作業となるため、夏は炎天下での重労働になったり、冬は寒さで身体かじかむ中長時間労働を行ったりするなど厳しい面もあります。とび職の給与の多くは、日給や月給制です。経験や実力で金額が異なり、実際に仕事をした日の分だけ給料が支払われます。平均年収額は約415万円になります。
稼げる仕事には、特別なスキルや専門の知識が求められます。稼げる仕事に就くためにも、知識や技術を蓄え、資格を取得した方がよいでしょう。また、稼げる仕事に憧れる人が多いので競争率も高くなります。その競争に勝つには、資格を取得するだけでなく、どんな大変さがあるのかもあらかじめ調べて、どうしたら克服できるか考えて取り組むなど、人一倍努力が必要になります。単に「稼ぎたい」という気持ちだけでは実現することが難しく、その職業に就きたいという強い志や覚悟を持って目指すことが重要です。
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