公務員は、国や地方自治体に勤務し、国民全体が幸せな生活が送れるようにサポートする職業です。大きくは国家公務員と地方公務員に分かれていて、各省庁の職員、裁判官や自衛官、教員、消防士、警察官など様々な職種があります。公務員になるには行政機関が実施している「公務員試験」の合格が必要になります。
ここでは公務員を目指す方に向けて、1983年 日本の専門学校で最初に公務員コースをつくった伝統と、圧倒的な現役合格の実績を誇る立志舎グループを例にあげて、公務員になるために必要な知識や試験対策を教えてくれる専門学校について詳しくご紹介します。
公務員専門学校とは、公務員を目指す人に向け、公務員に必要な知識や試験対策を教えてくれる専門学校です。試験区分によって出題される問題や傾向が異なるので、希望進路に最適なコースを選択することで、その試験に合わせたカリキュラムを受講できます。
学べる内容は、公務員試験の項目である筆記試験(教養科目・専門科目など)や面接試験、小論文の対策など。過去に出題された問題を考察した教材を使用しながら、勉強法を熟知した講師から指導を受けられるので効率的に学べます。公務員は専門学校ではなく大学に進学しても目指すことができますが、専門学校のメリットは早く現場に出られることです。約2年間の短期間で集中して学べるため、現場で役立つ実践的なスキルを身に着けて、早く現場で活躍したい人にはおすすめです。
一言に公務員といってもその種類はさまざまです。外務省や財務省など中央省庁で働く職員や都道府県庁・市役所や町村役場で働く職員、警察官や消防官、自衛官なども公務員です。このような多種多様な公務員をいくつかの視点で分類すると次のようになります。
国家公務員とは、基本的に国の機関に勤めている公務員のことをいいます。霞ヶ関の中央省庁で働いている人たちや税務署などの国の地方機関に勤める人たちも国家公務員です。例外もありますが、人事院で行う国家公務員採用試験に合格すると国家公務員になることができます。
これに対して地方公務員とは、基本的に地方公共団体に勤めている公務員のことをいいます。都道府県庁や市役所で働く人たちや警察署、消防署、公立学校で働く人たちも地方公務員です。各地方公共団体の人事委員会などで実施される職員採用試験に合格すると地方公務員になることができます。
最近は、国家の官庁と地方公共団体との人事交流も行われていて、国家公務員として採用された人が地方公共団体に出向して働いたり、地方公務員でも採用された後で採用された地方公共団体とは異なる地方公共団体で働くということもあります。
国家公務員および地方公務員はそれぞれ、国家公務員法、地方公務員法により、特別職と一般職とに分類されています。
特別職はそれぞれの法律で具体的に列挙されていて、内閣総理大臣や国務大臣、都道府県知事や市町村長など、その処遇や身分などを一律に規定できないものがこれに該当します。その他採用や勤務条件などは一般職の公務員に準ずるものですが、防衛省職員、裁判所職員、国会職員(衆議院、参議院、国立国会図書館の職員)も、国家公務員法は特別職の公務員として一般職と区別しています。これは、司法機関や立法府、防衛省関係の職員などには国家公務員法が適用されないことを意味しています。
一般職は特別職以外の公務員すべてをいいます。一般職の公務員は、採用や昇進について、試験や選考の受験成績や勤務成績、またはその他の能力の実証によらなければならないとされ、給与などの勤務条件も法律や条例によって一律に決められることになっています。
国家と地方の別にかかわりなく、公務員の多くは行政(事務)系の職になります。その名称は省庁や地方公共団体ごとに行政職または事務職とさまざまですが、総務や庶務、人事、経理などのデスクワークから、徴税業務や文化・スポーツ振興などの幅広い業務に携わります。
技術職は、土木や建築、電気・電子、機械、化学、農業などの専門分野の研究・調査業務や政策立案、技術開発の検討・調査業務などの仕事を行います。研究所や試験所での調査・研究から、下水道設備などの公共施設の建設や水質や大気の調査研究などそれぞれの専門分野で幅広い業務に携わります。
公安職は、社会の安全と平和を守ることを職務とする公務員です。典型的なものは、警察官や消防官ですが、海上保安官や刑務官、入国警備官などもここに分類されます。
これら以外にも地方公務員では、保育士や学芸員、司書、栄養士などの免許や資格の取得が採用条件となっている資格・免許職のほか、清掃作業員やし尿作業員、給食調理員などの技能職(労務職・作業職・現業職)といった職種もあります。
公務員 | |||
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国家公務員 | 地方公務員 | ||
事務職 | 一般職 | ●各省庁職員 など | ●都道府県庁職員 ●市・区役所職員 ●町・村役場職員 など |
特別職 |
●内閣総理大臣 ●外交官 ●裁判官 ●国会議員 ●自衛官 ●裁判所職員 ●防衛省職員 など |
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公安系 |
●刑務官 ●入国警備官 ●皇宮護衛官 ●海上保安官 など |
●警察官 ●消防官 など |
※一部職種において、上記の区分と異なる場合があります
公務員試験の受験案内や実施要項をみると、大学卒業程度(Ⅰ類、上級など)、専門学校・短大卒程度(Ⅱ類、中級など)、高卒程度(Ⅲ類、初級など)というように分けられている場合があります。これらは、原則として学歴によって区別するものではなく、最終学歴を目安として受験者に求める能力の目安や試験問題のレベルを示すものです。それゆえ、それぞれに示されている学歴がなくても受験可能な年齢に達していれば、採用試験を受験することができます。
しかし、警察官の採用試験などに見られる例ですが、学歴を要件とするものもありますので、それぞれの採用試験の受験案内や実施要項を確認する必要があります。
たとえば、○○県職員採用試験(高校卒業程度)という一つの試験の中で、事務や電気、土木などのように試験区分が設けられている場合があります。
このような場合、通常、試験区分ごとに採用予定者数を決めて試験を実施します。どの区分で受験するかは受験者が受験申し込みをする際に決めます。試験区分は基本的に職務内容によって設けられますが、中には採用時の勤務地域によってさらに細分化しているケースもあります。
たとえば、国家公務員試験の関東甲信越地域、東海北陸地域、近畿地域などがこのケースに該当します。また、地方公務員では、勤務機関によって一般事務(知事部局)、学校事務(公立学校等)、警察事務(警察署等)などの区分に分ける場合もあります。 これらの試験区分は、単純に仕事の内容の区分だけを表すものではないようですから、それぞれの採用試験の受験案内や実施要項を確認する必要があります。
これまで国家公務員の採用試験はⅠ種試験、Ⅱ種試験、Ⅲ種試験のほかに、国税専門官や刑務官、皇宮護衛官、入国警備官などの採用試験によって実施されてきました。
平成24年度からはⅠ種試験、Ⅱ種試験、Ⅲ種試験を廃止して、総合職試験および一般職試験に再編され、新たに専門職試験と経験者採用試験が創設されました。
総合職試験は、主に政策の企画立案等の高度の知識、技術または経験を必要とする業務に従事することを職務とする係員を採用する試験です。
それに対して、一般職試験は主に事務処理等の定型的な業務に従事する係員を採用する試験です。
国税専門官などの採用試験は、新設された専門職試験の中に組み込まれました。
人事院が実施する国家公務員採用試験がこのように変更されたことを受けて、衆議院職員、参議院職員、国会図書館職員や裁判所職員の採用試験もⅠ種試験、Ⅱ種試験、Ⅲ種試験を廃止して総合職試験および一般職試験に再編されました。
公務員には様々な職種があり、その試験の難易度も違うので、自分がなりたい公務員になるために必要な知識や勉強法が変わってきます。
また、働く場所を考えることも重要になります。自分が生まれ育った地元で働きたい場合は、地方公務員を目指すことになります。地方公務員は基本的に採用された地方公共団体内での勤務になるので、そこ以外の場所の転勤になることはありません。一方、国家公務員は職種や試験区分によって異なりますが、日本全国で採用された事務局管内での勤務となるので、遠方への転勤の可能性もあります。
まずは、自分がどこでどのような仕事をしたいのかをよく考えてみましょう。
試験レベル | 試験名 | |
---|---|---|
初等級 (高校卒業程度) |
一般職試験 | 国家公務員一般職試験 裁判所職員一般職試験 衆議院事務局職員採用一般職試験 参議院事務局職員採用一般職試験 |
専門職試験 |
税務職員採用試験 皇宮護衛官採用試験 入国警備官採用試験 刑務官採用試験 航空保安大学校学生採用試験 海上保安学校学生採用試験 海上保安大学校学生採用試験 気象大学校学生採用試験 衆議院事務局職員採用衛視試験 参議院事務局職員採用専門職試験(衛視試験) |
|
自衛官等 | 自衛隊一般曹候補生採用試験 自衛官候補生採用試験 |
|
地方公務員 | 地方公務員初級試験 警察官採用試験 消防官採用試験 |
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中等級 (専門学校・短期大学卒業程度) |
地方公務員 | 地方公務員中級試験 警視庁警察官Ⅱ類試験 消防官採用試験 |
上等級 (大学(大学院)卒業程度) |
総合職試験 |
国家公務員総合職試験 裁判所職員総合職試験 衆議院事務局職員採用総合職試験 参議院事務局職員採用総合職試験 国立国会図書館職員総合職試験 |
一般職試験 | 国家公務員一般職試験 裁判所職員一般職試験 衆議院事務局職員採用一般職試験 国立国会図書館職員一般職試験 |
|
専門職試験 |
皇宮護衛官採用試験 法務省専門職員(人間科学)採用試験 外務省専門職員採用試験 財務専門官採用試験 国税専門官採用試験 労働基準監督官採用試験 航空管制官採用試験 |
自衛官 | 自衛隊幹部候補生採用試験 |
地方公務員 |
地方公務員上級試験 警察官採用試験 消防官採用試験 |
※日程・受験資格等、最新情報は各関係省庁のホームページ等をご確認ください。
公務員採用試験に合格すると、採用候補者名簿に記載され、各官庁等により面接試験などを経て内定が出され、正式に採用が決定します。
国家公務員と地方公務員になるには、それぞれルートが異なり、国家公務員は人事院、地方公務員は都道府県の人事委員会や、市区町村役場の人事課が試験の公告を行います。
国家公務員試験を受ける必要があります。試験は、総合職試験・一般職試験・専門職試験・経験者採用試験に分類され、筆記試験や面接に加え、職種によっては身体・体力検査も行われます。
国家公務員には一般職と特別職があり、前者の場合は採用試験に合格後、志望する省庁を訪問する面談「官庁訪問」が必須となり、面談後に採用内定をもらう必要があります。
各自治体で実施する地方公務員試験の受験・合格が求められます。試験のレベルは、大学卒業程度の「上級」、短大・専門学校卒業程度の「中級」、高校卒業程度の「初級」の3つに分かれているのが大きな特徴です。一次試験(筆記)と二次試験(面接)を通過する必要があり、採用人数は毎年変わります。
公務員試験をクリアするには、試験の日程や試験内容・対策方法を把握することが大切です。
まず受験の申込受付日程を確認しましょう。2~5月頃に各試験案内が自治体・職種ごとに公式サイトで発表され、3~4月頃に申込受付が始まります。5・6月頃に筆記の一次試験がスタートします。
一次試験に合格すると7・8月頃に行われる二次試験(人物試験)に進み、8・9月頃に内定になる流れです。ただし、公務員試験日は年度によって異なるので、必ず試験日程を確認してください。
公務員試験は、筆記試験と面接試験の2つに分けられます。この中の論文や小論文は大きなウェイトを占めるため、この点数が低いと不合格になる可能性があります。
各試験内容をしっかり踏まえて対策を行いましょう。
公務員として必要な基礎的な能力についての筆記試験です。多くの試験では多肢選択式で行われ、ほとんどすべての職種で実施されます。
あらゆる試験においてその出題内容は類似しており、一般知識分野と一般知能分野に大別されます。
一般知識 分野 |
社会科学・人文科学・自然科学の幅広い分野から出題されます。 【出題科目例】 政治経済・現代社会・哲学思想・世界史・日本史・地理・文学芸術・国語・数学・物理・化学・生物・地学など |
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一般知能 分野 |
理解力・判断力・推理力などを問う知能検査のような出題となります。 【出題科目例】 文章理解・数的推理・判断推理・資料解釈など |
それぞれの職種や試験区分などに応じて必要な専門的知識などについての筆記試験です。技術系職種や大学卒業程度の試験で課される場合が多い試験です。
多肢選択式や記述式などの方法で実施されます。
多肢選択式では、職種や試験区分などにより出題科目などの内容は異なります。高校卒業程度の事務系の採用試験では実施されない場合が多いといえます。
また、記述式では、文章による表現力・課題に対する理解力をみるために論文試験形式となる場合が多くなります。
速く正確に事務処理を行う能力についての筆記試験であり、多肢選択式で実施されます。
国家公務員一般職高卒者試験、税務職員採用試験や一部の市役所などの高卒卒業程度の事務系職種で実施される場合が多い試験です。
主に高校卒業程度の試験に課される場合が多いといえます。
<作文課題例>
「友と語ること」「最近興味を持っていること」「あなたの思い描くこれからの日本」
「今後、挑戦したいこと」「あなたの考える住みよい社会とはなにか」「立派な社会人とは何か」
一般的に性格検査とよばれるものであり、公務員試験では次の検査がよく利用されます。
一次試験合格者に対し、二次試験として行われるのが一般的です。受験者と直接面談し、社会人としてのコミュニケーション能力や協調性、積極性などをみるために行われます。
個別面接と集団面接がありますが、内容的にはあまり変わりません。集団討論を行うところもあります。
試験の種類によっては日程に入っていない場合もありますが、採用までには実施されます。胸部疾患についての医学的検査や仕事内容により色覚検査が行われます。
身体に障害がある場合であっても、その仕事に支障がなければ採用されます。
身体基準(身長・体重・胸囲など)が定められている試験では身体測定が行われます。また警察官・消防官など職務上、身体の敏捷性、持久力や柔軟性などが要求される場合には、体力測定が行われます。
公務員を目指すためにはどの専門学校を選べばいいのでしょうか?
公務員になる!という目標が決まってる高校生には、現役合格と高い就職率を誇る「資格・就職・公務員に強い立志舎グループ」がおすすめです。
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監修:学校法人 立志舎