あの職業になるには
保育士になるには?1日の仕事の流れを教えて!

保育士は、「とにかく子供が好き」「子供の頃、保育園の先生に憧れて」などの理由から、女性に人気のある職業です。保育士は、国家資格の一つであり、1度取得すれば生涯保育士として働くことができます。そんな保育士になるには、どのような勉強をすればよいのでしょうか。保育士の資格を取得した後は、実際どのような仕事を行うのか、給与はいくらなのかなど、保育士になるための情報を詳しくご紹介します。

保育士になるための基本情報

保育士とは、乳児(0才)から6歳(小学校に入る前)までの子供たちを保育園などで預かりお世話をする仕事です。子供たちの食事や睡眠、排泄、着替えなど身の回りの世話をしながら、基本的な生活習慣を身につけさせます。また、集団生活を通して子供たちの心身の発達や社会性を養います。そのためにどのように保育をしていくのかを考えたり、保護者への育児アドバイス、いろいろな行事の企画・運営なども保育士の仕事になります。保育士として仕事をするには、保育士の資格が必要です。資格を得るためには2つの方法があります。1つは、大学・短大・専門学校など、厚生労働省が指定する保育士の養成学校を修了する方法です。この場合、卒業すれば無試験で保育士の資格を取得できます。もう1つは、年2回実施されている保育士国家試験に合格し保育士の資格を取得する方法です。

保育士資格試験とは

保育士資格試験は4月と10月に筆記試験、7月と12月に実技試験が行われます。受験資格は最終学歴によって異なります。

大学・短大

学校教育法に基づいた学校を卒業していれば受験が可能です。

専門学校

学校教育法に基づいた学校かつ2年以上の専門課程を修め卒業した場合、受験できます。

高校

1991年3月31日以前に卒業した場合、無条件で受験資格があります。
1991年4月1日以降に卒業した場合、2年以上かつ2,880時間以上、児童等の保護又は援護に従事した経験がある場合、受験可能です。
例外として保育科を1996年3月31日以前に卒業している場合は受験できます。

中学校

5年以上かつ7,200時間以上、児童等の保護又は援護に従事した経験があれば、受験可能です。

筆記試験の内容

筆記試験はマークシート方式で、「保育原理」「教育原理及び社会的養護」「児童家庭福祉」「社会福祉」「保育の心理学」「子どもの保健」「子どもの食と栄養」「保育実習理論」の8科目が行われ、それぞれの合格ラインは6割です。一部合格の制度があり、合格した科目は3年間免除されます。そのため、一度で合格する必要はなく、試験を数回受けて合格する人もいます。

音楽表現

幼児に楽器を使い、歌って聞かせることを想定した試験です。当日、出題される課題曲をピアノやギターなどを演奏しながら歌います

造形表現

当日出題される保育の一場面を鉛筆や色鉛筆を使って絵画で表現する試験です。

言語表現

3歳児クラスの子どもに話をすることを想定して、課題の中から一つを選び子どもが集中して聴けるようなお話を行います。

「ピアノが弾けなければ保育士になれない」思われる方もいるかもしれませんが、上記から2つを選択できることから楽器演奏は必ずしも必須ではありません。ただし、保育士の現場では楽器を演奏する場面は多いので、練習しておく姿勢は大切です。

保育士資格試験の合格率

令和元年の保育士資格試験の合格率は23%で一般的な資格試験と比べると難易度は高いと言えます。 保育士国家試験は、主婦や定年退職した人、別の仕事についている人が独学で受験するケースが多く、筆記試験の科目数が多いことが理由と言えます。合格率が2割というのは、試験が難しいからでは?と思われがちでが、保育士の試験は9科目あり、発表される合格率は1回の試験で9科目全てに合格した人だけなので、合格者数が少なくなります。保育士の試験には、「科目合格」という制度があり、合格した科目は3年間有効なため、3年間のうちに9科目全てを合格すれば、保育士国家資格は取得できます。合格できない科目をクリアするためにも、学習計画をしっかり立てることが大切です。

保育士試験の実施状況(令和元年度)

受験者数 77,076人
合格者数 18,330
合格率 23.7%

参照元:厚生労働省

保育士の仕事内容とは

子どもの食事や睡眠、排せつ、衣類の着脱など身の回りの世話や健康状態のチェックを行います。また、ルールのある遊びやごっこ遊び、保護者を交えてのイベントなどを催して、子どもたちの社会性を養うサポートもします。保育以外の仕事では、保護者や地域との交流、外部研修など、他にも仕事はたくさんあります。とくに保育士は子どもを預かっているため、保護者との連絡は非常に重要で、連絡帳の記入や配布物の作成など、連絡ツールを通してコミュニケーションをとることはかかせません。さらに保育のプロとして保護者に子育てのアドバイスをすることも大切な仕事です。 保育士の職場は保育園が一般的ですが、乳児院、児童養護施設、企業内や病院内の保育施設などで働く人もいます。

  

保育士の1日

保育士の勤務時間は1日8時間が一般的です。早朝保育や延長保育を行っている保育園の場合はシフトを組んでいるケースもあります。

7:00 出勤
園児の出迎え準備や本日のスケジュールを確認します。
7:30 園児のお出迎え
登園時に保護者や他の保育士と連携して出欠と園児の体調をチェックします。
10:00 朝の会・体操
昼食の準備を行い、園児には手洗いを促します。
11:00 昼食の準備・配膳
朝礼でその日の連絡事項を申し送り、園児と朝の体操を実施。
11:30 昼食
園児と同じものを食べながら、食事の様子を見守ります。好き嫌いなく食べるように指導していきます。また、食物アレルギーのある園児もいるので、アレルギーを起こす食材が除去された除去食を食べているか、異変がないかもチェックします。
12:30 昼食の片付け・お昼寝の準備
昼食を片付け、布団を敷き、園児たちのトイレの世話をします。
13:00 休憩
園児のお昼寝中は、保育士の休憩時間。園児に異変がないようかチェックしながら休憩をとります。休憩とはいっても、日誌や連絡帳の記載、行事の準備をしていることが多いです。
14:00 園児たちの起床
園児たちを起こし、布団の片付け
15:00 おやつ
おやつの準備と片付け
16:00 帰りの会
帰りのうたを歌う、さようならの挨拶など
16:00以降 園児のお見送り・掃除・デスクワークなど
園児が降園したら、掃除や戸締り、翌日の準備を行い、退勤。

時期によっては閉園後、お遊戯会や運動会といったイベントの準備があるため、残業が発生します。保育士の休日は土日祝日の週休二日制を導入している保育園もありますが、土日に保育を行う園もあります。土日に出勤する場合は平日が休みとなります。

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保育士の年収について

内閣府、厚生労働省などの公的機関の資料によると、保育士の年収は年々上昇しています。保育士の収入について低すぎるとメディアで報道があり、見直しの傾向が進んでいるためです。また、保育士の年収は都道府県によっても変わってきます。地方自治体の中には、保育士に働いてもらえるように補助金を出しているところもあります。働く場所を決める際は、この点もチェックしておくといいでしょう。

保育士の平均年収額

令和元年:3,634,600円

※出典:厚生労働省-令和元年賃金構造基本統計調査

保育士になりたい人におすすめの学校とは

指定保育士養成施設(大学・短大・専門学校)の卒業と同時に無試験で保育士資格が得られます。

大学

社会福祉系学部や生活科学系学部等に設置されている保育学科、子ども学科、幼児教育学科で保育士資格が取得できます。保育に関する専門的な知識が学べ、さらに幼稚園教諭の資格も一緒に取得可能です。保育士資格、幼稚園教諭の両方を取得している人材が求められる傾向にあるため、就職の選択肢も広がります。

専門学校

保育士に特化した実践的な知識を短期間で学べて、実習も豊富に確保されているので即戦力で働ける知識と技能を身につけられます。また、学費も大学や短大に比べ安いというメリットもあります。

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今後の保育士の将来性

少子化により子どもの数は減っているといわれていますが、共働き家庭の増加により、保育所への入所希望者は年々増加。需要に対し供給が追い付かず待機児童も社会問題化しているため、保育士の需要は高い状況です。厚生労働省の調べによると平成29年の有効求人倍率は2.76倍となり、高い水準になることが見込まれています。
一方、需要に対して保育士の給与は少ないといわれていますが、この状況を改善するため、保育士処遇改善等加算制度が設けられました。処遇改善を行った保育園に補助金が支給される制度で、この制度によって保育士の平均給与額は増加しています。保育士の必要性が高まっている現在、今後も待遇改善は続いていくでしょう。

また資格が必要な仕事なので、出産や育児などで一時的に仕事をやめても復帰しやすく、待機児童問題を解消するために、一般企業の社内保育所や買い物中に子どもを預かる商業施設内託児所など法櫛が活躍できる場所が増えており長く安定して働くことができます。

  

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