さあ、どっち?文理選択ガイド

進路選択の第一歩が文理選択。
大学受験の際に文系コースと理系コースのどちらで受験するかを決める選択で、
今後の人生キャリアに影響する重要な選択になります。

得意・不得意はこの選択に重要な判断材料になりますが、
高校での文理選択が将来就きたい職業や学びたい学問にも大きく関わってくるので、
慎重な選択が必要になります。

どうやって決めればいいの?
文理選択のポイント

自分の将来に関わる重要な文理選択。でも一体どうやって決めればいいのでしょうか?
そこで文理選択で重要な3つのポイントをご紹介します。

将来就きたい仕事から考える

文理選択によって就職できる仕事の種類がある程度制限される場合があります。

例えば、医師を目指すなら理系コースを選択して医学部に進学する必要がありますし、裁判官を目指すなら文系コースを選択し、法学部に進学して司法試験に合格しなくてはなりません。

「将来なりたい自分」を考えて、夢を実現するためにはどのような学問を学べばよいのか、その学部に進むために必要な受験科目は何かを調べてみることが、文理選択の判断材料になります。

学びたい学問から考える

文理選択は高校1年の秋ごろには決定する必要がありますが、まだ将来の職業や働くイメージができない人もいるのでは。

そんな場合はこれからどんなことを学びたいのか考えてみましょう。

学びたいことがあれば、志望する学部を絞り込むことができ、学部がきまれば受験に試に必要な科目から文系と理系のどっちのコースを選択する必要があるかわかります。

自分の好きなことから考える

将来の仕事や学びたい学問からも決められない場合は、自分の好きなもの、興味のあることから考えてみましょう。

例えば、パソコンを使った作業が好きだったり、研究やモノづくりに興味があるなら理系、本を読んだり外国語に興味があるなら文系など、自分が何に興味・関心があるかを知れば学びたい分野を見つけることができ、文理選択の判断基準になります。

大学・短期大学で学べる
学問領域

高校での文理選択は進学する大学で学ぶ分野や受験する学部と関係しています。

大学は文系・理系・文理融合系の学部に分けられ、文系学部を希望する場合は文系、理系学部を希望する場合は理系を選択するのが基本です。文理融合系の学部は、どちらを選んでいても受験できることがほとんどです。

大学・短期大学で学べる学問領域

文系学部

  • 英語、国語、地理・歴史、公民を重点的に学ぶ
  • 数学、理科系科目は履修がない場合や、基礎的な分野のみ学ぶ場合がある
主な就職先
弁護士、裁判官、検察官、司法書士、国家公務員、外交官、金融業、社会福祉系、マスコミ系など

人文学部系

主に、人類の創造した文化を対象として研究する学問。 代表的な学びは、文学、語学、文化学、史学・地理学、哲学・宗教学、心理学など。 それぞれの分野の対象となるものを学ぶとともに、それらを生み出す人間の精神的な部分や人間の存在そのものについても研究をしていく。

  • 文学
  • 語学
  • 言語学
  • 表現文化
  • 文化学
  • 図書館学
  • 文化財学
  • 考古学
  • 史学
  • 民俗学
  • 地理学
  • 歴史社会学
  • 心理学
  • 哲学
  • 倫理学
  • 宗教学
  • 美学
  • 人間科学

社会学系

社会現象を研究の対象とする学問。実証的な方法によって社会現象を分析し、その客観的法則を明らかにしていく。 研究対象により、法学、政治学、経済学、経営学、商学・会計学、社会学、観光学、メディア学、社会福祉学などに分かれる。 実学的な要素が強く、それぞれの分野での問題解決の手法なども探っていく。

  • 社会学
  • 情報学
  • 新聞学
  • 法学
  • 政治学
  • 政策科学
  • 観光学
  • 経済学
  • 経営学
  • 会計学
  • 商学
  • 流通学
  • 貿易額
  • 広報学
  • メディア学
  • 人類学

社会福祉学系

全ての人々が人間らしく生きていくための手段を科学的に考え、実現のための手法やシステムを創造し、実社会で実施することによって問題解決を目指す。

  • 社会福祉学
  • 介護福祉学

文理融合学部

文理融合学部とは「文系・理系」と区分するのではなく、グローバル化やデジタル化が進む社会で、総合的な知識力と発想力を身に付けた、幅広い視野を持った人材を育てるための教育方針に基づいた学部です。

主な就職先
警察官、救急救命士、自衛官、保育士、幼稚園教諭~高校教諭など

教育学系

教育の本質・目的や制度、また教員になるための知識・技能などを学んでいく。 教員免許を取得するにあたっては、実際の学校現場での教育実習も行う。 なお、学校・学部によって取得できる教員免許は決まっており、卒業にあたり教員免許の取得が必須かどうかも異なるので、事前に調べておくことが重要。

  • 教育学
  • 社会教育学
  • 児童教育学
  • 教員養成
  • 体育学
  • 社会体育学

芸術学系

理論と実技の両面から学習を進めていく、創作に欠かせない感性を磨いていく。伝統的な技法はもちろんデジタル面での学習も進んでいる。理論系、実技系に大別される。

  • 美術
  • デザイン学
  • 工芸
  • 文化財修理
  • まんが・アニメーション
  • CG・Webデザイン
  • 写真
  • 建築・インテリア
  • 音楽
  • 放送
  • 音響
  • 映画・映像
  • 演劇・舞台
  • 美容
  • メイク
  • エステ
  • ネイル

生活科学・家政学系

衣・食・住を中心に日常生活についてさまざまな角度から研究する。近年は環境学、福祉学などの隣接諸科学や文化学との融合も進んでいる。

  • 生活科学
  • 被服学
  • 栄養学
  • 食物学
  • 住居学
  • 児童学

教養・総合科学系

人間科学、社会科学、自然科学、健康科学、芸術学などを総合的に学ぶ。学科目を決めずに幅広く学び、広い視野と豊かな創造性を育んでいく。

  • 教養学
  • 国際教養学
  • 国際関係学
  • 人間科学
  • 人間環境学
  • 総合科学

体育学系

体育指導者の養成とスポーツを学問的に研究するという二つの大きな流れがある。最大の特徴は、実務能力の向上を目指すため、数多くの実技科目が履修できる点にある。

  • 体育学

環境学系

自然科学、社会科学、人文科学が複雑にクロスオーバーするのが特徴で、社会学、気候学、生態学、都市工学、土壌学等の学習を行い、複合的視点から環境問題に取組む。

学際・総合科学系

一つのテーマに対して、あらゆる側面からアプローチして、総合的に考察して問題解決を図る現代的な学問領域。

国際関係学系

歴史学、政治学、経済学などを踏まえ、国際的な社会問題を総合的に分析し、対処法を模索していく。外国語の習得も重要なテーマの一つ。

理系学部

  • 数学、理科系科目の高度な内容を学ぶ
  • 英語、国語なども履修する場合がほとんど
主な就職先
医師、薬剤師、看護師、機械・電子・化学系、航空系、建築系など

理学系

さまざまな自然現象を研究対象に、実験や計算等を通して真理を解明していく。卒業後は理数科の教員のほか、研究機関での活躍も珍しくはない。

  • 数学
  • 物理学
  • 地学
  • 化学
  • 生物学
  • 天文学
  • 地学
  • 広域理学

工学系

理学で得られた研究成果をベースに、これを人間の生活に有用な形へと実体化していく。産業界の期待は大きく、新技術、新製品の担い手たり得る実力養成が図られる。

  • 機械工学
  • 自動車工学
  • 電気・電子工学
  • 情報工学
  • 建築学、土木工学
  • 原子力工学
  • 資源工学
  • 材料工学
  • 応用物理学
  • 応用化学
  • 経営・管理工学
  • 航空・宇宙工学
  • 船舶工学、海洋工学、商船学
  • 生物工学・バイオテクノロジー
  • 画像工学・光工学・医用工学

農学・食品科学系

肉・米・野菜・穀物など食物全般を研究する。
安全な食の効率的な運用手段等を追求していくために、遺伝、育種、栽培、土壌などの基礎研究も行い知識を深めていく。

  • 農学
  • 農芸化学
  • 農業工学
  • 農業経済学
  • 森林科学
  • 造園学
  • 畜産学
  • 食品化学
  • 水産学

医学・歯学系

人間の生命と健康を守る保健系統の中で中心的な役割を果たせる人材を育成する。いずれも6年間の一貫教育で学びながら知識を深め、将来的には研究職と臨床職とに大別されていく。

  • 医学
  • 歯学
  • 歯科衛生学

薬学系

病気やケガを治すための医薬品の開発や研究など、人体と化学物質との関わりを追求する。

化学や生物学、物理学などを基礎として、化粧品、農薬、食品添加物など、周辺領域まで幅広く学ぶ。

  • 薬学

看護学・保健学・医療技術系

高度な医療知識を吸収し、理論と臨床技術を学びながら、最終的には各種の国家資格取得を目指す。

将来の職種に関連した学科や専攻・コースを選択する必要がある。

  • 看護学
  • 保健学
  • 衛生学臨床検査学
  • 診療放射線学
  • 臨床工学
  • 理学療法学
  • 作業療法学
  • 言語聴覚学
  • 視機能療法学
  • 鍼灸学
  • 柔道整復学
  • 救急救命学

医療経営学系

医療あるいは福祉関連機関の財務などの情報科学的分析・評価法・活用法や医療スタッフが最大限に能力を発揮するための運営管理技術などを学んでいく。

  • 医療経営
  • 医療情報学
  • 医療秘書
  • 医療事務

専門学校の職業分野

経済・公務員・語学・教育など

経理や事務、接客、語学などのビジネススキルを活かせる職業分野。関連する業界は幅広く、公務員から観光、交通、ブライダル、医療にまで及ぶ。

  • 文学・文芸
  • 語学・留学
  • 国際関係
  • 旅行・観光・ホテル
  • 鉄道・交通
  • ブライダル
  • 葬祭
  • 航空ビジネス・エアライン
  • 心理技術・心理カウンセラー
  • 公務員(事務)
  • 法律・行政
  • 公務員(警察・消防・自衛官)
  • ビジネス<簿記・販売・OA・秘書等>
  • 医療秘書、医療
  • 福祉ビジネス、歯科助手

情報・機械・建築

理学・工学の知識や技術を用い、自動車をはじめとする機械類や、ソフトウェアの開発・製造・保守、土木・建築、バイオなどの業務に従事する職業分野。

  • 機械・メカトロニクス
  • 自動車
  • 電気・電子・通信
  • 情報・IT
  • マルチメディア・ゲーム・インターネット
  • 建築・製図・インテリア・土木・測量
  • 航空整備・航空工学
  • 環境・バイオテクノロジー

医療・福祉・幼児教育など

病人や障がい者、高齢者、乳幼児などの他者からの保護やサポートを必要とする人達に対し、各種ケアや教育・指導などを行う職業分野。

音楽・美術・デザインなど

美術、工芸、デザイン、まんが、アニメーション、映像、音響、演劇、ダンスなど、芸術的な創作活動やパフォーマンスを行う職業分野。

  • 美術<絵画・彫刻・書道>
  • 美術<建築・インテリア>
  • 工芸・陶芸・ものづくり
  • ジュエリー・時計・雑貨
  • 靴・バッグ
  • デザイン
  • まんが
  • イラスト・アニメ
  • 写真
  • 編集・広告
  • 音楽・音楽ビジネス
  • 映画・映像
  • 放送・音響・照明
  • 演劇・声優・ダンス

栄養・調理・服飾・スポーツなど

人々の健康維持に欠かせない栄養管理やスポーツ、平凡な日々に張りを与えるファッション(服飾)など、日常生活の充実に深い関わりを持つ職業分野。

  • 栄養
  • 調理
  • 製菓・製パン
  • ファッション
  • スポーツ・健康・レジャー

理容・美容・メイクなど

理美容師やメイクアップアーティスト、エステティシャンなどの各職業の持つ技術を活かして人々の容姿に磨きをかけたり、癒やしを提供したりする職業分野。

  • 理容・美容
  • メイク・エステ・ネイル
  • リフレクソロジスト

動物・植物・バイオなど

人間の良きパートナーであるペットのケア、動物園などに収められた動物の飼育・調教、人生の様々な場面を彩るフラワー産業など、動物や植物と関わる職業分野。

  • トリマー
  • 動物看護
  • 動物訓練士
  • 動物飼育(動物園・水族館)
  • 植物・フラワー

まとめ!
文理選択の重要なポイント

  • 😀文理選択は人生キャリアの分岐点!
    将来の夢の実現のためにしっかり情報収集しよう
  • 😀就きたい仕事や学びたいこと、興味のあることを考えて、
    そのために何が必要か調べてから選択しよう
  • 😀得意・不得意だけで判断しないで!
    「好き」「やりたい」というポジティブな気持ちを優先しよう

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