教育実習が終わると、便せんに、はじめて礼状を書く学生がいる。
手紙自体書くのが苦手なうえ、目上に対してとなればお手上げ!? 心配になり、
「添削しようか」というと、翌日に「お願いします」とメールで送られてくる。
「はや!」と、便せんを何枚も反古にした私としては感心する。
いざ、添削すると、下記を指摘した。
(1)時候の挨拶、挨拶の内容が変わるとき、主文に入るとき、末文に入るときは、
改行一字下げて書き始めること。
(2)「~す」や「~が」が行頭になるのは不体裁、字の配分の工夫を!
同様に、勝手、先生などの熟語は2行に分けないこと。
いずれも読みやすさへの工夫であろう。
上記2点は、メールやワープロでは、当たり前の書き方であるため、
おかしいと認識しない、手紙のルールを知らないのであろう。
(3)宛名を署名と同じ列に書くのではなく、宛名を行頭または行頭1文字空け、
2文字目から書くこと。
(4)達筆の走り書きの字より、丁寧な字で書くこと。
受け取った相手が顔をしかめることにならないように、
敬語表現を確認する以前の書き方のルールを確認する添削となってしまい、
学生が手紙の常識やマナーを知らないために、すぐに提出できたのかと内省した。
これからの手紙の確認とは、礼状を書いた? でなく、体裁である! とあらためた。
礼状の送り先は、校長のみ、校長と指導教諭のみ、
校長・指導教諭・ホームルーム担任・一番迷惑をかけたクラスの生徒にも書く学生
とまちまちだ。
「常識を知り、それを磨く」、日々の研鑽の差であろう。
どのような学生が教員として相応しいか、社会が欲しい教員は言うまでもない。
【プロフィール】
日本大学商学部准教授
1985年より東京都立高校に勤務
北地区チャレンジスクール(現・桐ヶ丘高等学校)開設準備室 教諭、
北地区総合学科高等学校(現・王子総合高等学校)開設準備室 主幹教諭、
晴海総合高等学校 校長 等を経て、2023年より現職

