「バズる」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

私は、共通一次がセンター試験に変わるころに予備校で働き始めました。
そして、予備校における最も大きな仕事は自己採点に間違いありません。
試験が終わった後、数日のうちに集計から分析、
大学のボーダーラインを引いていたので、とんでもない状況でしたから。
ただ、私が働いていたのはS台・K合・Yゼミといった大手ではなく、
大進研グループ(という北海道から沖縄まで各地域に根ざした予備校の集まり)
に属していた予備校なので、大手とは一線を画していましたが。
そんな自己採点ですが、我々の分析から見つけた“穴大学の予想”は、
とてもよく当たりました。というのも、大手が穴大学を予想すると
逆に受験生が集中して穴が穴でなくなってしまうのに対して、
我々は大手ほど影響力が高くなかったので穴が穴としてブレなかったからです。
結果として我々の分析が正しくなったわけです。

最近、「バズる」という言葉を耳にするようになりました。
ご存知とは思いますが一応説明しておくと、「SNSやインターネット上で、
特定の投稿や情報が急速に拡散され、大きな話題になること」を意味しています。
今ではお店や商品の認知度を一気に高めるものとして、とても注目されています。
というのも、認知度が低かったお店や商品でも「バズれば、一気に拡散する」ので、
発信側からすれば全国、いや世界さえも夢ではなくなるからです。
しかし、地道な活動で素晴らしい商品を提供している店はいっぱいあります。
地域に愛されている良店はたくさんあります。そして私は、そんなお店が大好きです。
今はグローバルが謳われる時代なので、
世界規模での成功が求められることが多いようです。
そのためにSNS等でバズることはお店等にとってとても重要なのですが、
その地域に住む人たちにとっては、“地域で一番”のほうが、
満足度が高いのではないでしょうか。

つまり、我々にとっては、SNS(=他人の評判)に踊らされることなく、
実際に自分で体験し、そこから自分で判断することが大切だということです。
そんな力をつけることが必要であり、
何かに流されることのない判断力をつける教育が求められているのです。
なぜなら、大きな情報に流されて行動した結果が、
自分にとって良い結果に繋がるとは限らないのですから。

ちなみに、私の働いていた予備校は「関西にめっちゃ強い」をキャッチコピーに、
京都大学の合格者数が関西一、つまりは日本一の予備校でした。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』シリーズ等に作品を提供。
https://yomeba-web.jp/special/ss-cam5/