税理士になるには?進路・学部選びから資格取得まで徹底ガイド

この記事でわかること

・高校生のいまから税理士を目指せる

・早く資格を取りたい方は専門学校や短大で最短2年で受験資格を得る方法も

・5科目の合格がマスト!そのうち2科目は高校生も受験可能

・学校に通いながら2〜3科目を先に取り、残りは卒業後に取る方法が進めやすい

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税理士のなり方を知りたい!

税理士になるには、税理士資格の取得が必要です。まずは税理士資格を取るまでの手順から見てみましょう。

税理士になるまでの主な流れ

税理士資格取得までの流れは、4つステップに分けられます。

1:受験資格を満たす(最短2年~)
2:税理士試験の5科目に合格する
3:税務・会計の実務経験を2年以上積む。
4:日本税理士会連合会へ登録

受験資格を確認しよう

税理士試験は誰でも受けられるわけではありません。

税理士の資格を取るためには11科目の試験の中から5科目に合格する必要があります。試験のなかで誰でも受験できるのは「簿記論」と「財務諸表論」の2科目のみ。その他の科目を受験するには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

税法科目を受けるには次のいずれかが必要です。

▼税法科目を受験するための条件
・大学、短大、要件を満たす専門学校で「社会科学に属する科目」を1科目以上履修
・日商簿記1級または全経簿記上級に合格(高校在学中から挑戦可能!)
・会計や税務の実務経験を2年以上積む

現在高校在学中であれば、「要件を満たす学校に通う」が一番選びやすい方法です。

参照:日本税理士会連合会|税理士試験の受験資格要件の緩和

税理士資格取得に向けて動きはじめよう!

・自分に合う進路を仮決めしましょう(専門・短大で早期受験/大学で教養も深める など)。
・科目合格制を前提に、在学中に取れる科目を決めて学習開始。
・資料請求やオープンキャンパスで、カリキュラム・サポート・費用を比べましょう(最低3校を目安に比較)。必要ならLINE登録で最新情報もチェックしましょう。

進路のミスマッチを減らすには、適性をつかむのが近道です。

進路ナビの適性・適職診断はこちら

高校生の今からできること

税理士になりたいと決意したのなら、今から準備できることがあります。

簿記を学び基礎力を固める

まずは、日商簿記3級に挑戦しましょう。簿記は、税理士試験につながる資格です。3級を取得出来たら、2級にも挑戦しましょう。2級は「簿記論」と重なる範囲が多く、合格できると大きな自信になります。

数学・国語の土台づくり

税理士になるには、正確な計算ができる力と論理的に物事を考える力が必須です。また、国語は条文を読んだり、説明をしたりする力に直結します。授業の内容をしっかり理解し知識を積み上げましょう。

進路の仮決めと学習計画

進学先によって、税理士資格取得までの戦略が変わります。まずは、どの学部や専攻を選ぶと良いか、見ていきましょう。

税理士になるために有利な学部が知りたい!

受験資格の一つに、「社会科学に属する科目」を1科目以上履修することが条件としてあります。したがって、学部や専攻に制限はありません。

得意なこと、興味のあることに合わせてえらびましょう。

税理士試験に有利な学部とは?

学部税理士試験との相性・強み補足・注意点
法学部条文読解の訓練ができ、難度が高い税法科目で有利。会計分野は別途の学習・補強が必要。
経済・経営・商学系会計学・簿記を学びやすく、簿記論・財務諸表論と相性が良い。税法の条文読解は追加で対策を。
理系学部論理思考・データ分析力が強み。多くの大学で社会科学系科目を履修でき、受験資格の条件も満たしやすい。不利ではないが、会計・法の基礎は計画的に補う。

法学に興味がある方は、以下ページから学校を探してみましょう。 

法学について学べる大学一覧

専門学校・短大で税理士資格取得に集中するのもアリ

大学は学校ごとの方針にもよりますが、比較的まんべんなく様々な学問を学びます。対して、専門学校は試験に直結する授業が中心です。在学中から合格をねらいやすいです。短大も2年で必要な単位をとれます。学校ごとの特徴は以下の通りです。

大学・短大・専門学校の比較

項目大学(4年制)短期大学(2年制)専門学校(2年制)
税法科目の受験資格に届く目安最短2年(3年次進級時)2年2年
学びの中心幅広い教養と学問一般教養+専門の基礎試験に役立つ専門知識
学ぶ仲間・環境いろいろな価値観専門志向の人が多い同じ目標の仲間が多い
学費のイメージ高くなりやすい比較的ひかえめ比較的ひかえめ
卒業後の進路選択肢が広い就職・4年制編入も可会計事務所など実務中心

税理士試験の内容と合格までのスケジュール

ここまで税理士になるための進路や条件をみてきました。ここからは、税理士試験の具体的な内容を深堀りします。

試験科目と難易度

合計5科目の試験に合格する必要があります(会計2・税法3)。 

区分系統科目合格率の目安(R6実績)
必須会計簿記論17.4%前後
会計財務諸表論8.0%前後
選択必須税法所得税法12.6%前後
税法法人税法16.4%前後
選択税法相続税法18.7%前後
税法消費税法(※酒税法と択一)10.3%前後
税法酒税法(※消費税法と択一)12.1%前後
税法国税徴収法13.0%前後
税法住民税(※事業税と択一)18.2%前後
税法事業税(※住民税と択一)13.7%前後
税法固定資産税18.0%前後

参考:令和6年度の科目合格率 合計は13.5%(受験者49,676人/合格者6,684人)。

5科目をどんなスケジュールで受験するかはあなた次第

一度で5科目に受かる必要はありません。合格した科目はずっと有効です。学生の間に5科目合格を目指すも良し、在学中に2〜3科目、就職後に残りを取ることも可能です。

学習プラン例

学習量の目安は合計3,000時間以上です。1科目あたり400〜700時間が目安です。 


▼進学先ごとの学習プラン

・専門学校・短大に進学して税理士を目指す:

1年目:簿記の基礎を学ぶ
2年目:簿記論・財務諸表論の合格を目指す
卒業後:実務と並行して毎年1科目ずつ科目合格し、4〜5年ほどで5科目合格を目指す。

・大学に進学して税理士を目指す:

1~2年次:簿記論・財務諸表論を学ぶ
3~4年次:税法科目の合格を目指す
卒業後:実務に並行して毎年1科目ずつ科目合格し、4~5年ほどで5科目合格を目指す

税理士資格があると進路が広がるってホント?

資格を取ると、進路で選べる道が増えます。税理士資格も同様です。

税理士資格を活かせる働き方

まず、考えられるのが税理士事務所・会計事務所で多くの会社を担当して学ぶ道です。また、一般企業の経理・財務で専門性を活かす道もあります。いずれの道でも、実務経験やノウハウを得て、将来は独立して自分で仕事を受けることも可能。相談業務や金融の分野に広げることもできます。

税理士の将来性は?

税理士の平均年齢は60歳以上。若手税理士の需要が高まっています。AIやクラウド会計の広がりで、データを使った提案力が大切になっています。文系・理系どちらでも、コミュニケーション力やITスキル、分析力をみがいていきましょう。

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資格取得が目指せる学校を確認しましょう。気になる学校があれば、資料請求をしたり、オープンキャンパスに足を運び、志望校を決めていきましょう。

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