ファイナンシャルプランナーは、専門的な知識で個人の資産運用についてアドバイスや相談を行うお仕事です。個人の資産について、その人に合わせたマネープランや効率的な運用方法を提案します。この記事では、ファイナンシャルプランナーの仕事内容や必要な資格、おすすめの進路などについて解説します。実際にファイナンシャルプランナーを目指す方へ向けて、通った方がいい大学・学部についてもまとめましたので参考にしてみてください。
ファイナンシャルプランナーになるには・必要な資格
ファイナンシャルプランナーになるためには、FP技能士という国家検定、もしくは民間資格の「AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)資格」、「CFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)資格」を取る必要があります。それぞれの資格については、次の通りです。
FP技能士資格
FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定は、日本FP協会が実施している国家検定試験です。等級は1級・2級・3級があり、学科試験と実技試験に合格すると等級ごとに「ファイナンシャル・プランニング技能士○級」と名乗ることができます。
AFP資格
AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)資格は、ファイナンシャルプランナーとして必要な知識を十分に持ち、適切なアドバイスを行える技能があることを証明する資格です。FP技能士2級と同等の位置付けになっているので、FP技能士試験の2級に合格すれば、研修を受けて登録手続きをすることでAFPも取得できます。
CFP資格
CFPはファイナンシャルプランナー資格のなかでもプロフェッショナルであることを示す資格です。世界24カ国・地域で導入されており、取得すれば世界が認めるプロフェッショナルなファイナンシャルプランナーであることを示せます。プロのファイナンシャルプランナーとして最高峰の資格と言えるでしょう。
経済関係の学部がある学校がおすすめ
ファイナンシャルプランナーを目指すためにおすすめの進路は、経済関係の学部がある学校です。上記で説明した資格には学生時代から取得できるものもあるため、関連する知識を身につけられる学校を探してみましょう。
進路ナビでは、ファイナンシャルプランナーを目指せる大学や専門学校を紹介しています。ファイナンシャルプランナーになるための進路の参考に、以下のページから大学や専門学校を探してみましょう。
ファイナンシャルプランナーの仕事内容
「人生100年時代」と呼ばれる現代では、マネープランはプロに任せるという人も増えてきています。FPの仕事内容は、相談者の資産設計(ファイナンシャル・プランニング)を立案してその実行をサポートすることです。相談相手によって様々な企画立案やコミュニケーションが必要になります。
顧客に合わせたプラン作り
顧客の年齢・家族構成や収入などは十人十色です。そのうえで支出の内容や資産・負債、入っている保険などもそれぞれ違います。顧客の現在のライフスタイルや目標などをしっかりとヒアリングしながら現状を把握し、最適なプランを作成することがメインの仕事です。必要に応じて弁護士・税理士・保険や不動産の専門家などに協力を仰ぎ、貯蓄から運用まで総合的にマネープランニングを作成します。
企業FPと独立FPの違い
ファイナンシャルプランナーは、企業に所属して働く「企業FP」と個人で活動する「独立FP」という2つの働き方があります。企業FPの場合、銀行や証券会社などの金融機関、不動産会社や保険会社などに所属し、勤め先に応じて顧客のプラン作成を行うところが特長です。投資や保険、住宅ローンのプランニングなど、企業に合わせた金融商品や保険商品などを提案しながらマネープランニングを作成していきます。
独立FPは、個人や企業に対して資産運用や保険相談、税金相談などを個人事業として行います。基本的な仕事内容は企業FPと同じですが、セミナーや講演会などの講師や雑誌媒体などのコラム執筆などの仕事を行うFPもいます。
FPとしての情報収集や勉強
顧客の資産設計を行うとき、顧客自身の資産にまつわるデータを把握することはもちろん、最新の経済情報や金融情報、税金制度などを知っておくことが欠かせません。常に新しい情報を収集しておくことが必須となるため、業務時間外でもFPにまつわる勉強をしているプランナーが多いです。
ファイナンシャルプランナーの就職先・活躍の場
FPの資格は学生時に取れるものもあるため、卒業後すぐに資格を活かせる就職先で働きたいと思っている人も多いのではないでしょうか。ファイナンシャルプランナーとして活躍できる場にはどんなものがあるのかご紹介します。
ファイナンシャルプランナーの主な就職先
ファイナンシャルプランナーの活動領域は広く、様々な職種で活躍することができます。それぞれのフィールドで活躍するためには、FPとしての知識だけではなくその業界に役立つ知識やスキルを学生時代から身につけておくこともおすすめです。まずは、ファイナンシャルプランナーの主な就職先を見てみましょう。
金融・保険業界
金融・保険業界は、ファイナンシャルプランナー資格を活用できる機会が多い業種と言えます。FP資格保有者は、銀行・証券会社や保険会社などへの就職・転職でも歓迎される人材です。顧客のライフスタイルやライフステージに合わせて適した金融商品や保険商品を提案できるため、自社サービスを販売しながら顧客のライフプランを立てられます。
銀行では資産運用のアドバイスや住宅ローンなど借り入れのプラン、証券会社では株式や投資信託などのコンサルティング、保険会社では教育費の貯蓄や生命保険・医療保険などの提案をすることが主な業務です。
不動産会社
不動産会社で活躍しているFP資格保有者も多いです。不動産売買だけではなく、その際にかかる税金関係や資金計画など、ファイナンシャルプランナーとしての知識が必要とされる業務が多くあります。投資用不動産の営業や売買なども、ファイナンシャル・プランニングの知識が必要なシーンと言えるでしょう。
税理士・会計士事務所
FP資格は、税理士事務所や公認会計士事務所への就職にも有利になります。現代では税理士や会計士がコンサルティング業務を行うことも多いので、ライフプランを具体的に立てられるファイナンシャルプランナーは業界において求められている人材です。FP資格とは別に税理士や会計士の資格も取ることで、独立開業している人も多くいます。
ファイナンシャルプランナーとしての独立
企業などに属さずに、個人としてファイナンシャルプランナーの仕事をしている人も多くいます。ファイナンシャルプランナーは、経験を積んでからではなく実務が未経験でも独立開業できる仕事ではありますが、収入源をしっかりと確保しておくことが大切です。
独立FPの主な収入源は、金融機関等からのコミッション(取扱手数料)や、顧客からの相談料、講演料や執筆料などが挙げられます。学生時代から地盤づくりをしておくと、卒業後にも独立して働きやすくなります。
ファイナンシャルプランナーの将来性について
ファイナンシャルプランナーという職業において、将来性が気になるという人もいるかと思います。最近では数多くの職業がAIで代替できるという説も広がっているため、ファイナンシャルプランナーの今後がどうなるのか知りたいですよね。
確かに資産運用や家計管理等はAIでも可能と言えますが、「大切な資産は機械任せではなく信頼できる人に運用のサポートをしてほしい」と考える人は多くいます。さらに、顧客それぞれのライフスタイルに合った提案や、価値観や気持ちに寄り添ったプランニング作成は、やはり人の手でしか行えません。そういった意味では、AIの進化があっても将来性をあまり心配しなくていい職業と言えるでしょう。
近年、資産運用の重要さが浸透してきていることもあり、今後ファイナンシャルプランナーへの注目がますます高まっていくことが予想されます。「資産運用はプロに任せる」という考え方も徐々に広まっているので、仕事がなくなることは考えにくいでしょう。
ファイナンシャルプランナーの資格には等級があるので、仕事をしながらさらに高みを目指していくことも可能です。さらに他の資格も併せ持つことで、担当分野の広いファイナンシャルプランナーになることもできます。独立開業を目指すなら特に、自分にしかない強みを持っておくことも大切です。
ファイナンシャルプランナーの給料・年収相場
ファイナンシャルプランナーは前述した通り、企業に勤めたり独立開業したりと様々な勤め先や働き方がある職業です。人気も高い職業なので、お給料や年収の相場が気になる人も多いですよね。ここでは、ファイナンシャルプランナーの給料・年収相場について解説します。
企業FPの給料・年収相場
企業に勤めるファイナンシャルプランナーの年収相場は、就職する企業の業種によって異なります。ファイナンシャルプランナー資格を持つ人の代表的な就職先において、年収の相場は以下の通りです。
- 銀行 約650万円
- 保険会社 約900万円
- 不動産会社 約640万円
- 証券会社 約760万円
企業の規模やボーナスなどによって給料の額が変動します。就職活動の際は、ファイナンシャルプランナー資格を持っていることで待遇がどのように変化するかなども確認しておくといいでしょう。
独立FPの給料・年収相場
独立しているファイナンシャルプランナーの年収相場は、企業FPよりも個人差が大きいと言えます。ファイナンシャルプランナーとしての相談料が主な収入源になり、日本FP協会の2021年度の調査では1時間あたりの相談料は5,000円~10,000円未満が多くいました。
独立FPは独立しているため、営業の仕方次第で収入に差が出ます。一般的な会社員の平均年収くらいという人もいれば、1,000万円を超える人もいます。
ファイナンシャルプランナーに向いている人
ファイナンシャルプランナーに興味を持つ中で、自分に向いているのかどうか気になる人もいますよね。ファイナンシャルプランナーに向いている人の特徴や適性は、次のようなものが挙げられます。
- 数字に強い
- 発想力が柔軟
- コミュニケーション能力が高い
- 情報収集が好き
ファイナンシャルプランナーはお金の計算やあらゆるデータをもとにしたプラン作りを行うことから、数字に強い人が向いていると言えます。また、相談する人それぞれに合わせた様々なプランを組み立てるため、柔軟な発想力も大切です。
人とかかわることがメインとなる職業のため、コミュニケーション能力も重要視されます。資産運用や家計についての相談はプライベートな部分に大きくかかわるため、信頼してもらえなければ課題や目的などを聞き出せません。
顧客に最適なプランを提案するには情報収集能力も大切です。常に新しい情報を仕入れることが好きな人や、誰かのためになる話題を提供することが好きな人などは、ファイナンシャルプランナーに向いていると言えます。
もし「自分には当てはまらないかも?」と感じたとしても、努力や勉強で身につけられる部分も多いため参考程度に見てくださいね。
色々な条件から学校選びがしたい、通学希望先にどんな学校があるのか知りたいという方は、進路アドバイザーがおすすめを紹介するこちらのページをご利用ください。
ファイナンシャルプランナーを目指す学校の選び方
ファイナンシャルプランナーを目指すための知識を身につけられるのは、大学や短大の経済学部や経営学部、商学部などです。また、専門学校では日本FP協会が定めた「AFP認定研修」などが受けられるところもあります。
大学や短大ではファイナンシャルプランナー資格対策以外にも、金融や会計などの知識を幅広く勉強できます。カリキュラムとしてファイナンシャル・プランニングの科目を設置している学校もあるので、FP資格を目指す人はチェックしてみてください。会計に関する内容を学べる専門学校でも、ファイナンシャルプランナーを目指す人に向けた専門のコースを設けているところがあります。大学や短大に通いながら、資格スクールでファイナンシャルプランナー資格対策の勉強をしている学生もいますので、自分に合った学び方を探しましょう。
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