警察官
安全・安心な社会に欠かせない存在
警察官の仕事は、社会の治安を守ること。交通安全、運転免許の交付、地域のパトロール、青少年の非行対策、犯罪の取り締まりや捜査、テロ対策など、実に多岐にわたる。警察官になるには、各都道府県の採用試験を受け、警察学校で学ばなければならない。警察学校卒業後は、交番勤務を経験してから、希望や適性に応じて配属される。
消防官
火事や災害などの緊急時に人命を守る
火事を消すことが大きな任務だが、火事や災害を防ぐための広報活動、救急患者の応急手当や搬送、台風や地震などの災害時や海・山における遭難時の人命救助なども行う。レスキュー隊といわれる専門部隊による人命救助や、一定の医学的処置を行うことができる救急救命なども業務範囲だ。いずれも人命に関わる業務なので、強い使命感が求められる。
自衛官
国と国民の安全、平和に貢献する
日本の平和と独立を守り、侵略を未然に防ぎ、国の安全が脅かされるようなことがあれば、排除するのが自衛隊の仕事。主として国土を守る「陸上自衛隊」、周辺海域を守る「海上自衛隊」、周辺空域を守る「航空自衛隊」の各部隊・機関を中心に活動する特別職の国家公務員。防衛のほか、災害救助活動、国連平和維持活動への協力、救急患者搬送なども行う。
国税専門官
納税額を厳しくチェックする税のスペシャリスト
個人や企業などを訪問し、納税申告の調査・検査・指導を行う「国税調査官」、税金の督促や滞納処分、納税指導を行う「国税徴収官」、裁判官から許可状を得て悪質な脱税について強制調査と告発をする「国税査察官」の業務に分かれている。これらの仕事に就くには、国税専門官の採用試験等に合格し、税務大学校での基礎研修、税務署での実務経験、専科研修を経る必要がある。
刑務官
受刑者の社会復帰のため優しさと厳しさをもって指導
刑務所、拘置所に勤務し、収容されている人たちの生活指導や職業訓練指導などを行い、事故やトラブルのないよう監督する役割を担う。再び同じ過ちを繰り返さないよう指導することが使命。施設の管理や保安・警備なども仕事の一つだ。
検察官
冷静な判断力と分析力、悪に立ち向かう正義感が必要
検察官は、警察で捜査した刑事事件についてさらに捜査し、裁判にかけるかどうか(起訴、不起訴)の判断をする。裁判の際には起訴事実を立証し、適正な判決を要求するとともに、裁判の執行監督を行う。日本では起訴ができるのは検察官に限られるため、責任は大変重い。検察官になるには、難関の司法試験に合格しなければならない。
弁護士
依頼人の利益と権利を守る法のスペシャリスト
法の知識をもとにトラブルの相談に応じたり、裁判で依頼人の権利や利益を守るために弁論を展開したりする専門家。離婚、相続、不動産トラブルなどを扱う民事裁判では相手方の弁護士と、刑事裁判では罪を犯した人の弁護で検察官と論争をする。また、法廷に立たず、企業法務に関する業務を専門に手がける渉外弁護士として活躍する人も少なくない。
司法書士
市民の生活に一番近い法律家
司法関係の書類を作成し、裁判所や法務局に提出するのが仕事。不動産登記の仕事が多いが、商業登記の代行手続き、相続や離婚、金銭トラブルにおける裁判所への提出書類の作成もする。また、所定の研修を修了し、法務大臣の認定を受ければ、弁護士同様、簡易裁判所で一定の交渉や調停を行ったり、裁判を起こすことができる。独立開業をめざす人も多い。
行政書士
行政関係の書類はみんなおまかせ
企業や個人からの依頼により、市区町村の役所、警察署、保健所をはじめとする官公庁へ提出する書類を代行して作成し提出する。店舗の営業許可申請書、会社の設立許可申請書、車庫証明、遺言書、外国人の在留資格取得許可申請書など、書類の種類は実に多岐にわたる。得意とする分野を専門に扱う行政書士も多い。
社会保険労務士
企業における人事・労務・年金関係のエキスパート
中小企業の事業主などから依頼され、社会保険の手続き代理または代行、労働時間や賃金管理など労務管理に関するアドバイス、帳簿書類の作成などを行う。労働基準法・雇用保険法をはじめ50にも及ぶ法律を扱う仕事で、試験はかなりの難関。合格後、開業するには、2年以上の実務経験を経る、あるいは指定講習を修了して、社会保険労務士会連合会に登録しなければならない。
弁理士
努力の結晶である発明や商品名を守る
発明者に代わって特許権、実用新案権、意匠権および商標権(総称して産業財産権)の申請を行う。これにより、新製品は保護され、模倣品の出現や横行を防ぐことができる。この手続きは、発明者が自分で行うこともできるが、複雑な手続きなので、弁理士に依頼されることが多く、弁理士は権利取得までの手続きをすべて代行する。
裁判官
中立な立場で公平な判断を下す
全国の裁判所において起訴を審理し、事実を認定したうえで憲法・法律に基づいて公平な判決を下す。民事裁判では原告と被告の主張から和解を勧めたり賠償金の支払いを命じたりする。刑事裁判では提出された証拠や事件関係者からの証言などをもとに真相を突き止め、被告人が有罪または無罪かを判断し、検察官の求刑に対して判決を言い渡す。