情報学
作業の効率化と新たな可能性を生み出す
情報学とは、社会の中で情報がどのような仕組みで流れ、どのような影響を与えるのか、どのように扱っていくのか、等、「情報」という概念全般を扱う学問。 文系、理系問わず対象であり、文系の場合は現代社会における情報のあり方や役割、メディアリテラシーなどについて研究する。 理系の場合は、コンピューターやネットワーク、情報処理の技術や知識を学び、最先端のテクノロジーを研究・追求する。 文系の場合「○○情報学科」など「情報」という名前がつく学部や学科で学べることが多く理系の場合は工学部や理学部で学べることが多い。
法学
社会生活のルールを規定する法律を学ぶ
社会の秩序を守るために制定されているさまざまな法律について学ぶ。 法学部で学ぶのが基本。経済関連の学部で、法学科がある学校もある。また、法学部以外でも一般教養科目として講義を設けている場合もある。 憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法の「六法」を中心に学ぶことになる。 民法とは個人間の財産上・身分上の関係などについて規定した法律。刑法は、犯罪とそれに対する刑罰を規定した法律。商法は、企業およびその活動などについて規定した法律の総称。また、民事訴訟法は私人間の生活関係に関する紛争解決、刑事訴訟法は犯罪の認定と刑罰を科するための裁判手続きについて定めた法律である。 その他にも、国家間のルールを定めた国際法、労働法、行政法などがあり、それぞれの分野で定められている法律について、その解釈、仕組み、運用方法などを学んでいく。
政治学
政治・政策を研究し、あるべき理想を追究
政治現象全体、またはその本質について分析・研究する学問。 政経学部、総合政策学部、法学部の政治学科などで学べる。 また国際系の学部のなかで、国際政治関連の学科を設けている場合もある。 具体的な制度や政策を分析・研究するなど、政治に関する知識を学び、過去・現在の政治体制・政策などを学ぶとともに、将来的な展望やどのような理想に近づけていくべきかについても研究していく。 また、政治は他の分野と密接に関連してもいるので、法学、経済学、社会学などの科目を学ぶことも多い。 政治が形づくられていく仕組み、政策がどのように決められていくかといったことに加え、それぞれの国や地方自治体あるいは時代ごとの政治体制の比較など、政治学の分析・研究にはいろいろなアプローチの仕方がある。なかには、実際に選挙の現場に出向くなどのフィールドワークを行っている学校もある。 ともすると遠くに感じがちな政治だが、日常生活に密接に関わっているものであり、その政策の仕組みなどを知ることは、よりよい社会をつくるための秩序作りやその実現を考える契機にもなる。
経済学
モノや金、サービスの流れの仕組みを学ぶ
個人や家庭、企業さらには国、世界全体のモノやサービス、お金の流れなどに関する経済システムの構造を学ぶ。 家計・企業など個々の経済行動やそれらがお互いに関係し合う市場メカニズムの働きを分析する「ミクロ経済学」や、国民所得や国全体としての投資・消費・輸出入といった集計を用いて、失業率・インフレなど経済全体に関わる問題を分析する「マクロ経済学」が代表的な学びの分野。 他に、経済数量の間に理論的に想定される関係式を、実際の統計データにより統計学的に検証したり、その計算結果を用いて将来の予測や経済政策の効果の分析を行ったりする計量経済学、世界や日本の経済の歴史を学ぶ経済史、国や公共団体の財政の仕組みや政策などを学ぶ財政学、現代のグローバルな経済を扱う国際経済学などがある。 経済の話でよく出てくる「金融」とは、金銭の融通、資金の需要と供給のことを指す。わかりやすく言うと、資金が余っている所から資金が足りない所へお金を融通する仕組みのこと。 学校では、国際金融論、企業金融論などといった形で学ぶ。 経済学部や経済学科で学ぶのが一般的。 国際経済、産業経済、金融などに特化した学科・コースもある。
経営学
企業や組織の経営・管理について研究
企業や組織の経営について学ぶ学問。 経営学部や経済学部の経営学科、経営情報学部などで学べる。 また、国際経営、産業経営、会計などの学科・コースに分かれている学校も多い。 人事、労務管理、生産管理、商品開発、販売戦略、広報など、企業活動の原理や構造を研究し、それらを合理的に運営・管理する方法を探っていく。 具体的には、経営学総論・経営学各論・経営戦略論・経営組織論・経営経済学・人的資源管理論・経営管理論・経営史・技術戦略論・生産管理などといった科目を学んでいく。 経営戦略論とは、企業がいかに利益を上げていくかを追求する学問。経営組織論は、企業を経営していくにあたって組織をどうまとめていくかについて、人的資源管理論は、企業などが従業員をどのように管理しているかなどについて学ぶ。また、経営史では、企業や企業の経営活動の歴史について学び、日本経営史・外国経営史の全体、あるいは時代ごとに分けて学んだりする。 なお、国際経営学を中心に学ぶ学校・学科では、外国語の授業に力を入れているところもある。
商学、会計学
商取引や流通の仕組みを分析・研究
商品の売買や流通などの商取引の仕組みを分析・解明する学問。 商学部や、経済関連学部の商学科、会計学科などで学べる。 会計、流通、金融、マーケティングなど、各学科・コースに分かれている学校もある。 消費動向を調査するマーケティングや、商品開発、流通・販売の仕組みなど、商取引に関わる生産者、流通・販売業者の活動やメカニズムについて研究する。 経済学と経営学の橋渡し的な役割を担いながら、その中間領域を学ぶ学問。商品やサービスが生産者から流通業者を通して消費者に行き渡るまでを守備範囲とし、加えて企業経営、中小企業の経営判断・マネージメント、銀行・保険・証券に関する金融なども扱う。 商学一般について全体的に学ぶ商学総論、商業の歴史を学ぶ商学史、販売市場についての研究をするマーケティング論、商品の品質を扱う商品論などがある。 また、個人や企業などの経済活動状況を一定の計算方法で記録し情報化する「会計」も学びの範囲にあたる。 会計の分野では、会計学や、企業の経営活動を記録・計算・整理して経営成績と財政状態を明らかにする技能である「簿記」などを学んでいく。
社会学
社会の構造や傾向・特徴を調査・解明
人間が集まってできている「社会」や「組織」を対象として、その特性や傾向、現象、問題などを分析・研究。 家庭・教育・労働・福祉・風俗・環境・マスコミ・社会問題など、社会に存在するあらゆる分野・現象がテーマとなる。 最終的には、家族社会学、環境社会学、教育社会学、経営社会学、国際社会学など、特定の分野に絞って学ぶケースも多い。 社会学は比較的新しい学問であり、また実際にわたしたちが生きている「社会」を対象とするということもあって、身近なテーマや新しいテーマを扱うことも多い。 近年では、インターネットや携帯などのメディアを対象とした領域、また少子高齢化など、生活に身近な問題、「オタク」などサブカルチャー論的な話題なども分析・研究の対象となっている。 社会学は、社会学部、あるいは人文学部、文学部の人文社会学科などで学ぶことができる。 その他にも、現代社会学科、人間社会学科、社会システム学科など、「社会」と名のつく学科で学べることが多い。
観光学
観光業全般の知識・技能を身につける
観光という視点から、日本や世界各国の文化や社会について学ぶとともに、観光産業の知識や技能・マネジメント力などを身につけていく。 観光学部、観光文化学部などに加え、国際学部、経済学部、商学部などに観光系の学科を設置している学校もある。 学ぶ内容は、観光業の経営、観光業による地域の発展などについての研究に加え、実際にテーマパークやホテルなどに行き実践力を身につける実習などもある。また、総合・国内旅行業務取扱管理者などの資格取得に向けたカリキュラムを採用している学校もある。 観光の現場に行って研究・体験をするフィールドワークは、町おこしイベントからテーマパーク・空港での研修まで、学科・コースによりさまざまな形態がある。 近年は「心のこもったもてなし」を意味する「ホスピタリティ」を学部・学科名に入れている学校も増えている。 また、海外を対象とした観光コースの場合、語学関連のカリキュラムに力を入れている学校もある。 観光に関するどの分野を学びたいかによって学校選択は異なってくるので、各学校のカリキュラムで、学ぶ内容を確認しておくことが大切。
メディア学
メディアの特性や映像技術などについて学ぶ
大きく分けて、各メディアの特性や問題点・社会的影響などについての研究を中心とする場合と、映像制作やIT技術などについて学ぶ場合の二つがある。 主にメディア学部や情報学部、社会学部・人文学部のメディア関連の学科などで学ぶことができる。 メディア研究を中心とする学科では、新聞・雑誌・テレビ・広告、さらにはインターネットなどの媒体について、その特徴・機能や社会に与える影響について分析・研究する。 映像制作技術などを学ぶ学科では、技術の習得に必要な理論の学習や、実際の機材などを使っての実習などを行う。 大学・学科によって、学ぶ内容が大きく異なるとともに、特に技術を中心に学ぶ学科では、さらに細かくコース分けされていることもある。 メディア研究中心の学科では、放送論、新聞論、出版論、広告論など一般的な概論の学習などを経て、その後演習などで、自分の専門分野を決めてさらに深く学んでいくことが多い。 IT・映像技術関連の学科では、理論も含めてまず基礎技術の習得を行い、その後、テーマに沿った作品の制作、さらにより高度な作品作りへと移行していく。
社会福祉学
福祉関連の資格取得に必要な知識・技能などを修得
高齢者や、身体的・精神的に障害者を持つ人など、社会的な支援を必要とする人々への援助のあり方、さらに政策や制度面の問題などについて学ぶ。 福祉学部、社会福祉学部、人間福祉学部、医療福祉学部などで学ぶことができる。 実習や、理論・法律・社会制度などの学びを通して、誰もが人間らしく快適に生活できる社会の実現について考えていく。 実習では、学校に関連した施設や、提携している老人ホーム、老人保健施設、デイサービスセンターなどで、食事や入浴の援助、動作に対するケアなどの経験を積む。また、学校における講義でも、車椅子体験実習や姿勢変換など、自ら障害を体験するといったカリキュラムも組まれている。 理論・制度面では、保険福祉論、地域福祉論、障害福祉論、社会福祉政策、社会福祉思想といった講義を受講する。 なお、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士など福祉関連の国家資格を受験するには、養成課程として指定されている学校で規定の科目を修了する必要がある。社会福祉関連の学部・学科の多くには資格取得に必要なカリキュラムが設置されているが、学校によって受験資格が取得できる資格が異なるので、入学前に必ず詳細を確かめておくことが必要。
秘書学
スケジュール管理や事務処理をして業務を助ける
秘書学とは、ビジネス実務に必要な専門知識や技術、マナーを身につけ、ビジネスシーンで活躍できる人材の育成を目的とする学問。 秘書学を学べる学部や学科で専攻ができる。
精神保健福祉学
精神に障害を抱える人の社会復帰をサポートする知識を学ぶ
精神保健福祉士は、医師や看護師、作業療法士などの医療従事者と力を合わせて、精神に障害を抱える人やその家族の相談に応じ、社会復帰をめざして助言・指導を行う。 受診や入院の相談、退院後の住む場所や職場のことなどを、家庭の事情に応じて一緒に考えたり、社会復帰するためのトレーニングを指導するなど、さまざまな面からサポートをしていく。 精神保健福祉士になるには、養成課程がある大学の学部・学科や専門学校に通い、資格取得のための知識・技能を習得する必要がある。
地域創生学
地域社会を多角的な視点から活性化する
地域社会の再生と創造をマネジメントするための知識、理論、実践の方法を学ぶ。 「地域創生」「地域デザイン」「地域創造」などの名前が入った学部や学科で学べるケースがある。