「コスメやメイクが好き!」「人をキレイにする仕事がしたい!」という想いはあるけど、それを活かすにはどのような職業があるのか、どのような学校がいいのか悩んでいる方もいると思います。そんな方におすすめなのが、美容に関することを総合的に学べる美容専門学校です。ヘアメイク、ネイル、エステ、アロマなど、美容に関して幅広い専門知識と技術を身につけることができます。ここでは、美容専門学校の基本情報や、高校を卒業してから美容関係の職業に就くまでの流れ、就職先、就職活動の進め方などをご紹介します。
人をキレイにする仕事には、美容師や理容師、メイクアップアーティスト、ネイリスト、エステティシャンなどさまざまな仕事があります。美容師や理容師になるには国家資格が必要で、美容専門学校では、国家試験を受けるための知識や技術を身につけるカリキュラムが整っています。また、メイクアップアーティスト、ネイリスト、エステティシャンなどには国家資格は必要ありませんが、就職後に活躍するための知識や技術、流行を先取りするセンスなどを磨くことができます。
美容の仕事では、スタイルを創るアーティストとしてのセンスや技術、接客業の仕事の知識、人の身体に直接触れてヘアスタイリングやメイク、ネイル、エステなどを施すための専門的な知識が必要になります。そのため学校では、「美容関係の技術を学ぶ授業」や「接客法や経営・労務管理の授業」、「保健や衛生管理」などの授業があります。
美容養成施設には、専門学校と短期大学、大学があり、美容師を目指すなら、高校卒業後はそのいずれかを目指すことになります。今回は「美容師」を例にあげて、高校卒業後、専門学校に進学して美容師免許取得までの主な流れをご紹介いたします。
美容師になるには、美容師法に基づいた「美容師免許」を取得しなければなりません。美容師免許は、厚生労働省が指定する美容養成施設の必要課程を修了し、美容師国家資格に合格すると取得できます。美容師の国家試験には、筆記試験と実技試験があり、筆記試験では、美容師に必要な知識(関係法規制度、衛生管理、美容保健、美容の物理化学、美容理論など)の問題が出されます。実技試験では、ウィッグを指定された髪型通りにカットできるか、衛生上の基礎知識がどの程度身についているかなどが審査されます。美容師国家試験は、夏と冬の年2回行われ、近年の合格率は、夏は約60%、冬は約80%になっています。
美容師を例に高校卒業から美容師免許取得までをご紹介しましたが、メイクアップアーティスト、ネイリスト、エステティシャンを目指す方も専門学校までの流れは一緒です。メイクアップアーティストやネイリスト、エステティシャンになるための国家資格はありませんが、それぞれの分野で能力を証明するための以下のような民間資格があるので、お客様から信頼を得るために資格を持っていると役に立つかもししれません。
JMA日本メイクアップ技術検定試験、IBF国際メイクアップアーティスト認定試験
日本ネイリスト検定試験センター技能検定試験、JNAジェルネイル技能検定試験
日本エステティック協会「認定エステティシャン」、国際機関CIDESCO-NIPPON「CIDESCOディプロマ」、日本エステティック業協会「AEA認定エステティシャン」
進路を選ぶ時には、どんなことを学べるのか、費用はいくらぐらいかかるのか気になるところですよね。特に費用に関しては、自分だけではなく家族にも影響を与える部分なので、しっかり確認しておきましょう。
理容・美容系専門学校の昼間のコースに入学した場合、初年度納付金の平均額が126.8万円になります。内訳は下の「理容・美容系専門学校 初年度納付金の平均額」をご覧ください。
これらの納入金額には、教材・器材・道具などは含まれておらず別途費用がかかりますので、各学校のパンフレット等やウェブサイト等でご確認ください。進路ナビでは美容師を目指している方向けの学校を検索し、資料請求をすることができます。詳しくはこちらの「職業から進路や進学先を考えよう!!美容師」のページをご覧ください。
入学金 | 119,000円 |
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授業料 | 525,000円 |
実習費 | 166,000円 |
設備費 | 168,000円 |
その他 | 290,000円 |
合計 | 1,268,000円 |
出典:「東京都専修学校各種学校協会 2019年 分野系統別専門学校(昼間部)初年度納入金平均額一覧」
美容学校の就職活動は、1年次の10月頃からサロンが学校を訪問して1年生向けの説明会を行います。2年次になると、4月頃から本格的な就活が始まり、学校で開催されるガイダンスや外部での就職フェア、面接などが行われます。就職活動では、自分がどういう仕事を目指しているのか、希望するサロンの人がどういう思いで働いているのか、サロンの目指している方向性などを知るためにも、できるだけ説明会やサロンの見学にいきましょう。
美容養成施設には、専門学校と短大という2つの選択肢があります。どちらも学ぶ期間は2年間なので「同じなのでは?」と思われるかもしれませんが「美容に関する知識や技術」とそれ以外の授業の割合が違います。
専門学校は「美容に関する知識と技術」が中心になります。専門学校には、昼間部、夜間部、通信制の3つの種類があり、そのどれを選ぶかで就学年数や費用が違ってきます。
短期大学は「一般教養」と「美容に関する知識と技術」を並行して学び、卒後後は準学士の称号が付与されます。専門学校は専門士の称号を与えられますが、専門士と準学士は、就職や進学の際には同等の資格として扱われ、専門卒と短大卒で大きな差はなく、キャリアや実務経験を積むことで給与や年収が変わってきます。専門学校の就職率は、おおむね高い数字を誇っています。中には就職率100%を打ち出しているところもありますが、学校によっては異なるところもあるので、注意が必要です。
美容師を目指せる専門学校をお探しになりたい場合は、こちらの美容専門学校一覧を活用してください。
美容師の就職先として代表的なのは美容室ですが、その他にも美容師免許を活かして活躍できる場所として、ヘアメイク関連の事務所やヘアセット専門店、ヘアカラー専門、結婚式場などがあります。
メイクアップアーティストが活躍できる場所は、テレビ局やテレビや映画、CM、雑誌などのスタジオ撮影やロケ現場、劇場、美容室、結婚式場、ホテル、百貨店などがあります。就職先としては、化粧品メーカーやブライダルサロン、ヘアメイク事務所などがあります。
ネイリストが活躍できる場所は、ネイルサロン、美容室、結婚式場などがあり、これらの場所で正社員として勤務するか、フリーランスとして外注の契約を結んで働く方法があります。
他にも理容・美容業界でどのような仕事があるのかについては「理容・美容業界で働く人たち」をご覧ください。
最近では、仕事とプライベートが両立できる職場の実現(ワーク・ライフ・バランス)に関心が高まっていますが、理容・美容職においても、色々な取り組みが検討されています。
ワーク・ライフ・バランスは働くモチベーションの向上にもつながってくるので、就職先を探すときにその会社の取組を確認してみましょう。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2020年春卒業の大学生や高校生の内定取り消しが2019年の調査の約5倍となりました。採用の停止・遅れなどの影響がありましたが、その後は、マスクの着用やソーシャルディスタンスをとること、業務のオンライン化が生活の中で浸透してきています。今後は、これまでのようにイベント会場に人を集める就活フェアは行われなくなり、家や学校からオンラインで参加できる就活が中心になっています。
厚生労働省が発表した2019年度の美容室は、全国に25万店舗以上あり、コンビニが全国に5万件以上なのに対して、美容室の件数は約5倍。数字だけ見ると美容師資格を持っていれば就職先を見つけやすい業界とも言えるでしょう。しかし、現在美容業界は決して好景気とは言えません。その中でも、近年注目を集めているのが「福祉美容師」です。介護が必要な人や、障害を抱える人のいる自宅や病院、老人ホームなどの施設に出向いて施術をする美容師のことです。社会の高齢化が加速するのに伴い需要が増え続けることが予測され、将来性のある仕事だといえます。
美容師も理容師も国家資格を必要とする職業ですが、微妙な違いがあります。
平成30年度「理容師法」・「美容師法」の改正によってダブルライセンスが取得しやすくなったので、自分の将来を考えて必要な資格を取得しましょう。
進路ナビでは、進路にまつわる相談に対して、進路アドバイザー検定合格認定スタッフがお答えした結果をサイト内で公開しています。美容師の就活についてお悩みなどありましたら、こちらの「みんなの進路相談:美容師」のページをご覧ください。