「正しいの反対は?」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

正論とは何でしょう。確認のため調べてみたところ、
「道理にかなった正しい意見」とありました。
ところが、正論を振りかざすと
「相手を傷つけたり、人間関係を悪くする」
「言っていることは正しいが、それを言うのは正しくない」
と言われることがあります。
正論は正しいはずなのに、なぜ「正しくない」のでしょうか。
さて、ここで質問です。「正しい」の反対は何? 
おそらく、多くの人は「間違い」と答えるでしょう。
でも、私はそうではないと思っています。

正論を振りかざす人は、悪気があって言っているのではありません。
厚意から言っているのです。というのも、
自分が正しいと信じていることを「みんなに教えてあげている」からです。
でも、その人は何を基準として正しいと唱えているのでしょう。
少なくとも、それはその人の価値観から言っているのであって、
違う価値観を持つ人にとっては「正しくない話」なのです。

自分の考えを相手に伝えたいからと言って、
自分の考えを主張しているだけではうまくいきません。
いくら自分の考えが正しいと思っていても、
さまざまな人がそれぞれの考えを持っているんだ、
ということを踏まえた上で話を進めていかねばならないからです。
自分の考えに固執して、自分と異なる意見を全否定するのではなく、
いろいろな考えを受け入れた上で話を進める。
そのとき、はじめて正論は「道理にかなった正しい意見」となるのですから。

そんな、本当に正しい正論にたどり着くために必要なもの、
つまり視野を広げるために学んでおかなければならないもの、
それが「学校教育」の中にあると考えます。
最後に、私の考える「正しい」の反対をお伝えします。
それは「異なる意見もある」です。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』シリーズ等に作品を提供。
https://yomeba-web.jp/special/ss-cam5/