「総合学科高校の変遷から今後の展望を考察する 15 ―不登校対策個別指導計画 1回目―」筆者・玉川弘文

今回から副題 ―不登校対策 個別指導計画 1回目― をつけることにする。
私が長期欠席者や中途退学者の減少に直結すると受け止めている相談体制の
第2回目は、K高校が導入した不登校対策の新しい取り組み個別指導計画
(Individualized Educational Program<IEP>)である。
本計画は、2回に分けて紹介する。
個別指導計画とは、個々の生徒の理解や習熟の程度、学校生活を通して表れる情緒や
心理的な諸状況に対応した「個人別に配慮された指導計画」で、
授業に出られなくなってもカウンセリングルームや自宅での学習を認め、
出席が無理でも単位取得を認めた制度である。

《目的》
入学し4月から6月は頑張れたが、7月にもなると頑張りが限界に達したのか、
欠席が目立つ生徒、さらに、欠席が長期化し不登校傾向の見られる生徒が現れてきた。
このような状況は予想された。不登校は簡単に抜け出されるものではない。
とことん生徒にサービスを提供する制度である。
担任、パーソナルチューター、カウンセラーのきめ細かな指導にも関わらず、
カウンセリングルームまでしか来られない生徒や学校にほとんど来られない生徒に対して、
一定期間、個別指導計画を実施することで、
生徒が通常の授業を初めとして学校生活が過ごせるように導入した。


《IEPの手続き》
生徒の実態・家庭の状況なども踏まえ、
具体的に、継続的・計画的な指導計画の作成であるが、
学校が一方的に作成するのではない。生徒・保護者からの申請で、
個別指導計画検討委員会(メンバーは、教頭(現在は副校長)、年次主任、ホーム担任、
教科担当者、相談部担当者、カウンセラー、その他委員会が必要と判断されたスタッフ)
が審査し、校長の決定、委員会でのプログラムの作成・実施・日誌の記入・評価・
プログラム継続の検討・プログラム実施の評価・単位認定・評定、
校長の認定、成績会議への報告となる。

本計画は、欠席が続き、進級をあきらめて不登校を脱せない生徒への手厚いケアである。
次回は、個別指導計画の留意点や継続的に進めるための提言をする。

【プロフィール】
日本大学商学部准教授
1985年より東京都立高校に勤務
北地区チャレンジスクール(現・桐ヶ丘高等学校)開設準備室 教諭、
北地区総合学科高等学校(現・王子総合高等学校)開設準備室 主幹教諭、
晴海総合高等学校 校長 等を経て、2023年より現職