「成長」筆者・ライセンスアカデミー 東京チーム I.M

接骨院に勤務する長男とは、
最近ようやく「大人の会話」ができるようになってきました。

ある日、彼がふと漏らしました。
「どうしたらいいか、わからなくなった……」
現在、彼は職場で責任ある立場を任されており、
本部から求められる業務の方向性と、自分自身が大切にしたい想いとの間に
ギャップを感じているようでした。
「自分はどう思っているの?」と尋ねると、
彼は自分なりの考えを静かに語ってくれました。
確かに、接骨院も経営である以上、売上がなければ続けていけません。
いわば、数字のプレッシャーが常につきまといます。
私はこう言いました。
「答えは簡単じゃない?」
長男は驚いたように「えっ? なに?」と聞き返してきました。
そこで私は、彼が柔道整復師を志した原点について話しました。
「あなたはどうして柔道整復師になろうと思ったの?
怪我をしたとき、何度も接骨院の先生に助けてもらったでしょ?
それで今度は、自分が“助ける側”になりたいって思ったんじゃなかった?」
続けてこう伝えました。
「もちろん、数字を求められるのは仕事をする以上、避けられない。
でも、まず大切にしてほしいのは、目の前の患者さんの“痛み”を取ること。
痛みが消え、笑顔になる人が増えていけば、自然と人は人を呼ぶ。
信頼が広がれば、結果として数字もついてくるはずよ」
けれども、長男はまだすっきりとは腑に落ちない様子でした。
将来を見据える視点は大切ですが、目の前の仕事に真摯に取り組めなければ、
本当の意味での成長にはつながらないと私は思っています。

私は子育ての中で、「自分で考え、行動し、その行動に責任を持つ」ことを
意識してきました。簡単に答えを教えるのではなく、まず考えさせること。
それが、どんな場面でも自分の“軸”を持つために必要だと信じているからです。
その瞬間ごとの「ベスト」を尽くしていれば、結果は自然とついてくる。
今でもそう思っています。
仕事を深く知るようになるほど、壁にぶつかることや悩みは増えていきます。
しかし、それはまさに「成長している証」です。
私自身もまた、成長を止めず、日々精進してまいります。

【プロフィール】
三児の母。1999年ライセンスアカデミーを退職。当時は千葉県を担当。
第三子が中学校入学と同時に、2018年復職。現在は東京23区担当。
学生時代は女子サッカー部所属。
全日本学生選手権(大学インカレ)への出場経験あり。