進路コラム 永遠の「あの日」 筆者:宇佐美 正利

進路コラム

永遠の「あの日」 筆者:宇佐美 正利
宇佐美 正利 2015年3月10日(火)

「あの日」から4年が経った。
本校を知らない二期目の卒業生たちも
仮設校舎を旅立ったことだろう。
彼らの「仮の母校」はやがて取り壊される。
思いは残ろうがいつまでも仮ではいけない。

仮設校舎で学ぶ生徒たちへの講演で、いわき市に向かった。
どんな挨拶で始めようか、禁句はなにか、
ジョークは失礼だろうかなどと落ち着かない移動となった。
生徒たちは笑顔と活気で満ちていた。
なにかに感謝した。

閉鎖され取り壊しの日を待つ木造校舎の壁一面に、
満開の桜並木が描かれていた。圧巻だった。
廊下の新聞記事で、山の神・柏原竜二さんの母校と知れた。
驚異的なスピードで箱根を駆け上がった直後の彼の言葉が浮かんだ。
「ぼくが苦しいのはたった1時間ちょっと。
福島の人たちに比べたら、全然きつくなかった」

双葉郡に本校をおく避難中の5つの高校、
そのすべてが2017年4月に休校となる。
ゴールの見えないレースはきつい。
希望は、新設される「ふたば未来学園」と152名の新入生である。
住民の祈りを名に負う新校。しかし原発が、近い。
「未来への学園」から彼らを追うことがあってはならない。

著者プロフィール

宇佐美 正利 (うさみ・まさとし)
1956年、群馬県生まれ。早稲田大学卒業。
学生時代、会話の苦手な自分を「人と話さざるを得ない環境に追い込む」ため、2年次に北海道別海町の牧場にとび込み1か月の労働。「人それぞれの居場所の大切さ」を知る。4年次5月〜翌3月にヨーロッパ、アフリカ、アジア18か国に遊学。「縦以外の価値観」を実体験する。
教育産業界に35年。高校内での進路講演を年間70回以上実施。情報提供ばかりでなく「考え方」の提案に努めている。

◇編著書
『才能と仕事のベストマッチング』(大学新聞社) 2011年11月11日

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