「私、失敗しないので」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央 更新日: 2025年3月15日
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「私、失敗しないので」という決め台詞で人気のドラマが映画化されました。
ですが、実際には失敗をしない人なんて、いるわけがありません。
それにもかかわらず、実社会においては「失敗しないことを前提」に、
ギリギリの予定で仕事をする、させようとする人の、いかに多いことか。
でも、そのために無理して頑張るものだから余計に大きな失敗をすることとなり、
とんでもない事態に陥ってしまうのです。
本当は、失敗することを頭の中に入れておかないといけないのです。
運転免許の更新時、講習で
「周囲の状況を楽観的に、自分に都合よく予想して運転する『だろう運転』ではなく、
危険な状況になることを予想して運転する『かもしれない運転』を心掛けること」
を教えられるように。
失敗しないことを前提として仕事の予定を立てると、
上手くいかなかったときの対応が後手後手に回ってしまいます。
それどころか、ミスをしたときに「自分のミスだと認めない人」「他人のせいにしてしまう人」
「責任逃れをする人」etc.……がいます。もう、全然ダメです。
「責任のがれ」に気を遣ってばかりの人に進歩はありません。
そんなことに気を回すくらいなら、少しでも早く対処しなければならないのに。
日本には失敗する可能性に目を向けようとせず、社員に対して120%以上の力で、
しかもミスなく、そして成果をあげることを求める企業が多いように思います。
「できるヤツに仕事を回せ。もっとやらせろ」と言って、はばからない上司が。
しかも、そんな企業に限って、失敗したときに隠そうとするのです。
本当は、そういうときこそ、どう行動するかが大切なのに。
素直に失敗を認め、二度と同じ失敗をしないように改善する。
それができるかできないかです、成功する人・しない人、成功する企業・しない企業の差は。
それは学生や生徒も、そして学校だって同じことです。
何か問題が発生したときに、いかに素早く対応するかです、大切なのは。
なぜなら失敗しないのは、ドラマの中でのみ成立することなのですから。
【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』シリーズ等に作品を提供。
https://yomeba-web.jp/special/ss-cam5/