中教審のワーキンググループから
「『新たな評価』制度の在り方について」6月3日に「議論のまとめ」が出され、
質向上・質保証部会で審議が始まった。
この報告には、とりわけ段階別評価と学部別評価について論議を呼んでいる。
このうち、今回は段階別評価の問題を取り上げる。
段階別評価は、これまで評価機関によって若干異なるが
適合・不適合の2段階しかないものを4段階にするという提案だ。
実は、2段階しかないことの問題点は、つとに指摘されていて、
その改善は大きな課題となっていた。
「評価疲れ」と言われるように、認証評価には、
大学側は多大な労力と時間をかけて取り組んでいる。
その割に本来の内部質保証に評価が生かされることは少ない。
特に、不適合になることはあまりない。
そのため、何のための評価かが問われていたのである。
多段階評価は、この点も考慮して、大学の改善に資するものと考えられる。
しかし、4段階にするのは、現在の評価よりさらに詳細な評価を実施する必要がある。
そのため、なかなか多段階評価の必要性は認識されていても、
実際に制度化することは困難だった。
新たな評価制度案は、学修者本位の教育への転換として、
段階別評価を導入することを提案している。すなわち、
「『学生の成長につながる優れた取組を通じて高い教育成果を挙げている学部等』
についてはより高く評価する」などとしている。
目的は明確であるが、この段階別評価が
どこまで実効性のある評価制度になっていくかが問われている。
【プロフィール】
東京大学名誉教授、現・桜美林大学教授。
主な研究テーマは「高等教育論」「教育費負担」「学生支援」「学費」。
奨学金問題の第一人者として知られ、
『大学進学の機会』(東京大学出版会)、
『進学格差』(筑摩書房)など著書多数。
