本制度は、臨床心理士を目指す大学院生が「年齢が近く気楽に」
生徒の話し相手、相談相手、必要に応じて学習支援や生徒指導等を行う。
当時は、ボランティア活動であるが、
彼らにとっては専門的な教育実習の場としてスタートした。
第1期大学院生の実践報告は、
〇生徒の話を理解する必要はなかったなと思う。
理解しようとするとそこでコミュニケーションが止まってしまう。
私が理解するのではなく、彼らが、彼らなりに考えていることを
そのまま受けいれられるようになりたい、と思う。
〇他の実習生やスクールカウンセラーとのミーティング時間で、
疑問点や対応の仕方を質問することができた。生徒には、特に会話がなくても
「同じ空間に心を許せる、または安心できる人がいる」だけでよいと
感じている生徒がいることが、実習を通じて分かった。
〇生徒とは、雑談を通じて、いろいろな話を聞くことになりますが、
その「雑談」さえ、成立させることが簡単ではないことを感じました。
生徒には、肩ひじを張らずに気楽に話をしようと考えましたが、
気楽さを追求すれば、ただの友達になってしまいます。
大学院生同様、当時の教員の中には、振り返ると、
生徒は不登校生徒であるとの意識や身構えたことが良好な人間関係にならず、
微妙な距離感を持たせ、気を遣わせていたと、感じてしまう。
本制度は、多重層構造のケア・システムの一つとして、保護者にとっても心強く思われ、
本校の教育に対する信頼度を高める役割を果たしたことは確かだ。
大学院心理職養成課程における心理学実習として位置づけられて、
現在は、東京学芸大学、大正大学、東京家政大学が活動している。
当時は、つづいてくれ! と期待と不安があった。
続けたことが報われている。嬉しい限りだ。
【プロフィール】
日本大学商学部准教授
1985年より東京都立高校に勤務
北地区チャレンジスクール(現・桐ヶ丘高等学校)開設準備室 教諭、
北地区総合学科高等学校(現・王子総合高等学校)開設準備室 主幹教諭、
晴海総合高等学校 校長 等を経て、2023年より現職
