プロゲーマーになるには?必要スキルや仕事内容、就職先、将来性を解説

将来の進路を考えている学生さんの中には「プロゲーマーになりたい」「eスポーツやゲーム実況に関連する仕事に就きたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。しかしプロゲーマーは比較的新しい職業のため、具体的にどんな仕事をするのか、目指すためにはどのような進路に進めば良いのかわからない人もいるでしょう。この記事では、プロゲーマーに興味のある学生さんに向けて、プロゲーマーになるための進路や具体的な仕事内容を紹介します。ぜひ今後の進路選びの参考にしてみてくださいね。

プロゲーマーになる方法と必要なスキル

まずはプロゲーマーとはどんな職業なのか、プロゲーマーになるための方法、必要な資格について紹介します。

プロゲーマーとは?

プロゲーマーとは、ゲームの技術を活かして大会で賞金を稼いだり企業とのスポンサー契約で収入を得たりする職業です。ビデオゲームを使った対戦競技「eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)」の盛り上がりと共に、そのトッププレイヤーであるプロゲーマーは近年大きな注目を集めています。eスポーツ大会への出場だけでなく、動画・SNS配信やゲームイベントへの出演なども行います。
プロゲーマーは子どもたちの憧れの職業にもなっており、2021年にソニー生命が実施した「中高生が思い描く将来についての意識調査」では「男子中学生が将来なりたい職業」の第2位にランクインしました。現在eスポーツをオリンピック・パラリンピックの正式種目に採用する動きもあり、プロゲーマーの人気は今後ますます高まっていくと考えられます。

プロゲーマーになるには?

プロゲーマーになるには、下記のような方法があります。

  • スコアボード(ランキング)で上位に入る
  • アマチュア大会で上位に入賞する
  • プロゲーマーと仲良くなり、紹介してもらう
  • プロテストやトライアウトに合格する

このように様々な方法がありますが、基本的にプロゲーマーは実力主義の世界。ゲームが強ければ様々な大会に出場することができ、スポンサーがついたりチームに所属したりして活躍の場を広げていくことが可能です。ただし、専門的な技術・知力が必要なケースもあるため、プロゲーマーを目指して大学や専門学校で専門知識を学ぶ人も多くいます。

プロゲーマーに必要なスキル

プロゲーマーになるために必要な資格はありませんがプロゲーマーの世界は実力が全てなので、高いゲーム技術は必須です。常に上を目指すモチベーションを保ちながら本気でゲームに取り組む姿勢が必要です。
また世界のプレイヤーと戦うための言語力(英語力)も、ゲーム技術同様プロゲーマーに欠かせないスキルです。現在eスポーツ業界は日本よりも欧米やアジアなど海外のほうが発達しており、大会規模や優勝賞金も海外の方が高い傾向にあります。実際、2022年に公開された記事によるとトータル賞金額の世界ランキングではトップ3がアメリカ、中国、韓国となっており、日本は19位。プロゲーマーとして活躍するためには、海外でもやっていける英語力を磨いておくことが大切です。

プロゲーマーの具体的な仕事内容

プロゲーマーは近年世界中で注目を集めている職業ですが、具体的に何をする仕事なのかは知らない人も多いかもしれません。
プロゲーマーの主な仕事には下記のようなものがあります。

主な仕事内容
eスポーツ大会に参加様々な大会に参加し、優勝を目指す
イベント活動ゲームイベントを通じてeスポーツ業界を盛り上げる
ゲーム実況・解説プロ視点での動画配信で視聴者を楽しませる
コーチプロチームを育成したり、学生に知識・技術を指導したりする

それぞれ詳しく見ていきましょう。

eスポーツ大会に出場

プロゲーマーの主な仕事は、eスポーツ大会に参加することです。eスポーツは2000年代に誕生し、2010年代からは様々な大会が催されるようになりました。プロゲーマーは得意なジャンルの試合に出場し、日々の鍛錬の成果を発揮しながら優勝を目指します。eスポーツ大会は世界中から視聴者が集まる大規模なものも多く、賞金総額が30億円以上になるものもあります。

イベント活動

オンライン・オフラインで開催されるイベントに参加してファンを楽しませることもプロゲーマーの仕事の一つ。イベントではプロゲーマー同士のエキシビションマッチやトークショー、ファンとの交流対戦などを行います。プロゲーマーには、高いゲーム技術や知識を活かしてエンターテインメントを提供し、eスポーツ業界を盛り上げていく役割もあります。

ゲーム実況・解説

YouTubeやTwichなどでゲームの実況動画やeスポーツ大会の解説動画を配信しているプロゲーマーも多くいます。プロの視点からコメントを出したり分かりやすく説明したりすることで、視聴者にゲームの魅力や面白さを伝えていきます。人気プロゲーマーの配信は一度に1万人以上の視聴者を集めることも。配信動画を通してスポンサーの商品を宣伝することで、広告収入を得ることができます。

コーチ

プロゲーマーの中にはeスポーツのコーチとして働く人もいます。eスポーツのコーチは野球やサッカーなど他のスポーツと同じように、プレイヤーに技術を指導する他、対戦相手の情報収集やチームのマネジメントを行うことが仕事です。またeスポーツ業界の発展のため、若者や学生にコーチングを行う人もいます。

プロゲーマーの就職先・活躍の場

プロゲーマーには大会への出場以外にも、イベントや動画配信、コーチなど様々な仕事があることが分かりました。基本的にプロゲーマーは個人の実力で大会上位を目指していく職業ですが、身につけた知識や技術を活かして企業へ就職することもできます。ここからはプロゲーマーの就職先やゲーム知識を活かして活躍できる場を紹介します。

プロゲーミングチームの運営企業

プロゲーマーの就職先の選択肢として、プロゲーミングチームを立ち上げている企業があります。例えば、下記のような大手企業はプロゲーマーを雇用し、独自のゲーミングチームを育成しています。

  • 吉本興業(よしもとゲーミング)
  • KADOKAWA(FAV gaming)
  • NTT東日本(TERA HORNS)

企業に就職する大きなメリットは安定した収入を得られること。安定した環境でゲームだけに集中することができるので、結果を残せる可能性も高いでしょう。

ゲーム会社

プロゲーマーになるために習得した知識や技術を活かしてゲーム会社に就職する方法もあります。ゲーム制作には、プロデューサーやディレクター、デザイナー、シナリオライター、テスト担当など様々な分野があります。会社によって複数の仕事を兼任したり専門分野ごとに担当が分かれていたりと様々ですが、プロゲーマーを引退した後や、プレーするより制作側に回りたいと考えている人におすすめの就職先です。

eスポーツ大会の運営会社

eスポーツの大会運営に参入している企業もゲーム関連の就職先の一つです。eスポーツの大会運営を行っている企業や団体には下記のようなものが挙げられます。

  • 日本eスポーツ連合(JeSU)
  • 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
  • コカ・コーラ「STAGE:0(ステージゼロ)」
  • NTTドコモeスポーツリーグ「X-MOMENT」
  • 株式会社DMM.com

eスポーツ大会の運営企業では、企画運営をはじめ、関連商品の取り扱い、eスポーツ番組配信なども行っています。上記以外にもeスポーツ業界に参入している企業は多くあり、eスポーツに携わる仕事がしたいと考えている方の選択肢は増えています。

個人(フリーランス)

プロゲーマーの中には企業に所属せず、個人(フリーランス)として活躍する人もたくさんいます。フリーのプロゲーマーはチームに所属して活動することが一般的で、チームが契約しているスポンサー企業からの支援で大会に出場します。大会で実績を残すことで、賞金を獲得したり知名度を上げたり活躍の場を広げることができるでしょう。フリーのプロゲーマーの多くは大会への出場以外にも、YouTubeやTwichでの動画配信やSNS配信なども行います。

プロゲーマーの将来性について

現在、世界規模で注目を浴びているeスポーツ。ファミ通によると、2020年の日本eスポーツ市場規模は66.8億円でしたが、2024年には2倍以上の180億円超になると予測されています。

eスポーツのファン数(試合観戦・動画視聴経験者)や業界に参入するスポンサーが年々増えており、今後もさらに市場が拡大していくと考えられます。
こういった理由から、eスポーツ業界の花形であるプロゲーマーの将来性は非常に高いと言えるでしょう。eスポーツをオリンピック・パラリンピックの正式種目に採用する動きもあり、プロゲーマーの需要はさらに拡大していきそうです。
またプロゲーマーは引退後にも下記のような活躍の場があります。

  • CGデザイナー
  • ゲームプランナー
  • Webプロデューサー
  • イベントプランナーなど

プロゲーマーは第一線を退いた後も、これまで培った知識・スキルを他の仕事で活かすことで、長く活躍することができます。

プロゲーマーの給料・年収相場

プロゲーマーの世界は完全に実力主義なので、収入も個人のスキルによって大きな差があります。
プロゲーマーの主な収入源はeスポーツ大会の賞金です。賞金額は大会の種類や規模によって変わりますが、近年はeスポーツ大会数が増えると同時に賞金額も大きくなっています。
eスポーツの代表的な大会と賞金は下記の通りです。

  • 「Six invitational 2020」…賞金総額約3億円
  • 「オーバーウォッチリーグ 2021」…賞金総額約4億円
  • 「The International 2022」…賞金総額約26億円

プロゲーマーの収入源は賞金の他にも、所属チーム・企業による給料、スポンサーとの契約料、動画・SNS配信の収益などがあります。
日本のトッププロゲーマーの年収は1億円以上と推定されていますが、実際には月収数十万程度と一般的なサラリーマンと同じくらいの年収の選手も多いのが現実です。
プロゲーマーは実力次第で収入が大きく変わるシビアな職業ですが、ゲームが得意な人であれば年齢・性別・国籍に関係なく一攫千金を狙える可能性を秘めている、夢のある仕事でもあります。

プロゲーマーに向いている人

プロゲーマーに興味を持っている学生さんの中には、自分はプロゲーマーに向いてる?と気になっている人もいるでしょう。ここではプロゲーマーに向いている人の特徴を紹介します。

粘り強い人

粘り強く、何事にもコツコツ取り組める人はプロゲーマーに向いているでしょう。ゲームは他のスポーツや楽器、絵画などと同じく、すぐに上手くなるわけではありません。そのため毎日何度も練習を繰り返し、地道に上達を目指す必要があります。

負けず嫌いな人

負けず嫌いな人もプロゲーマーの素質があると言えます。大会では他のチームと勝敗を競うため、負けたり失敗したりすることも多々あるでしょう。試合で負けてしまっても「次は絶対に勝つ!」という強い意思を持ち、諦めずに努力し続けることが大切です。

強い精神力を持つ人

大会本番に本来の実力を発揮するためには、プレッシャーに押しつぶされない強いメンタルが必要です。またプロゲーマーは人前に出る仕事でもあるため、インターネットで批判を受けることもあるかもしれません。少しのことではへこたれない、精神的にタフな人はプロゲーマーとして活躍できる可能性が高いでしょう。

戦略を考えるのが好きな人

対戦相手を分析したり、試合に勝つための戦略を考えたりすることが好きな人はプロゲーマーに向いています。ゲームを有利に進めるためには、対戦相手や戦術を研究し、勝つための戦略を立てることが大切です。

コミュニケーション力がある人

プロゲーマーにはコミュニケーション力も大切です。プロゲーマーはチームで活動することが多いので、勝つためにはチームメイトとのこまめなコミュニケーションが欠かせません。またファンとの交流も仕事の一つなので、初対面の人とでも臆せずコミュニケーションをとれるスキルが必要です。海外の大会に出場することもあるため、英語力も身につけておくと良いでしょう。

プロゲーマーを目指す学校の選び方

プロゲーマーに興味のある学生さんの中には、高校卒業後にどのような進路を選べば良いか悩んでいる人もいるでしょう。
プロゲーマーの世界は実力社会なので、高いゲーム技術があれば学歴・年齢関係なく稼ぐことが可能です。しかし、プロゲーマーとして世界で活躍するためのスキルをたった一人で身につけるのは難しいのも事実です。

大会で入賞したりプロチームに所属したりする機会を得るためにも、プロゲーマーを目指す学生さんは、高いゲーム技術・知識を学べる学校へ進学することをおすすめします。
近年はプロゲーマー・eスポーツ選手を目指すための学科がある学校も増えています。例えば、下記のような学科・専攻に進むことでプロゲーマーになる道が開けるでしょう。

  • 専門学校:eスポーツ学科、プロゲーマーコース、e-sports専攻
  • 大学:メディアデザイン学科
  • 短大:情報メディア学科

進学先を選ぶ際はメディアやゲームに特化した学科がある学校を選ぶと良いでしょう。中でもeスポーツ学科のある専門学校はスキルや実践力が早く身につくのでおすすめです。
ただしゲーム技術や知識、一般教養やコミュニケーション力など幅広いスキルがある方が卒業後に活躍できる場が広がります。自分が将来どのようなプロゲーマーになりたいか、どんな活動をしたいかをイメージしながら進路を選びましょう。

実際にどんなスキルを学べるのかは各校の情報を調べてみないと分かりません。「進路ナビ」の学校検索機能を利用して資料請求を行うと、各校の詳しいパンフレットを取り寄せる事ができます。ぜひ、こちらのページから大学や専門学校を探してみましょう!

プロゲーマーに必要なスキルを習得できる学校を探そう

eスポーツの盛り上がりに伴い、需要が増加しているプロゲーマー。近年では「将来なりたい職業ランキング」上位にランクインするほど人気のある仕事です。プロゲーマーになるには特別な資格はいりませんが、高いゲーム技術とスキルが欠かせません。独学で学ぶこともできますが、専門的な知識や技術を習得するには大学や専門学校に進学することが近道です。
進路ナビでは、プロゲーマーを目指せる専門学校を紹介していますので、まずは学校検索機能を利用して資料請求を行ってみましょう。

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